▼レースレポート
この日、宇都宮ブリッツェンは3つのレースが待っていた。栃木市の渡良瀬遊水地で谷順成&岡篤志が出場する全日本選手権タイムトライアル、福島県の檜山高原で沢田時が出場するMTB XCO、そして秋元碧の走る全日本ジュニアロードだ。
未来を担うロードレーサーたちがしのぎを削る本大会は京都府美山町で開催され、今年の男子ジュニアは2007年、2008年生まれが対象になる。
2007年3月生まれの秋元は2019年から育成チームのブラウブリッツェンに加入したが、2022年に高校生になると地元宇都宮を離れて京都の北桑田高校自転車競技部の門を叩いた。
この日の舞台となる美山町と言えば、自転車ロードレース界隈では長年開催されてきた「京都美山サイクルロードレース(以下、美山ロード)」が有名だ。今年6月の第38回大会をもって惜しまれつつもその幕を閉じているが(秋元はオープン参加でレースを楽しんだ)、北桑田高校の立地はその美山ロードのコースにほど近く、高校時代の秋元が毎日のように練習で走った思い出の場所でもある。
今回は昨年の全日本ジュニア2位の平山雷斗選手(日本大学)、同3位の吉田奏太選手(倉吉西高校)、同7位の成田光志選手(学校法人石川高等学校)もエントリーしており、全国から強豪が美山に集結している。秋元にとって勝手知ったる美山の地の利を活かして、勝利につなげたいところ。
<レース前の秋元のコメント>
「ここ1ヶ月くらいレースが続き調子は上がってきている。コースは高校時代に練習でほぼ毎日走っていて、先日も美山ロードを走り、熟知しているつもり。逃げになってもいけると思うが、最後のスプリントで狙っていきたい」
<レース前の鈴木監督のコメント>
「レベルが抜けてる選手が数名いるため、そこを中心に動いていくと思う。(秋元は)ここまでチャレンジするような走り、アタックして逃げていく走りで最終的に捕まって集団から遅れてしまう。まず集団で残って勝負していく成績を狙う走りに切り替え、しっかり未来につながる走りができればいい」
全日本ジュニア、男子のコースは10.3kmを8周する82.4kmで争われる。細かなアップダウンが続き、中盤6kmから九鬼ヶ坂峠へ向かう1.5kmほどの厳しい登りが選手たちを待ち構え、その後は一転してスタート&フィニッシュ地点までダウンヒルが続くレイアウトだ。