レースのキーポイントとなったのが4周回目。2周回目で単独逃げを決めていた河野翔輝選手(チームブリヂストンサイクリング)が捕まった直後にアタック合戦が始まり、集団がバラバラに。その間に決まった7名の逃げに、宇都宮ブリッツェンからは谷が入る。他の顔ぶれは山田拓海選手(シマノレーシング)、織田聖選手、アレクサンドロス・アグロティス選手(以上マトリックスパワータグ)、孫崎大樹選手(ヴィクトワール広島)、宮崎泰史選手(KINAN Racing Team)、島野翔太選手(イナーメ信濃山形)。集団はこれを容認し、7周回目には3分35秒差がつく。
集団の先頭は、逃げにメンバーを入れられなかったチームブリヂストンサイクリングが牽引し、宇都宮ブリッツェンはそのすぐ後ろで次の動きに備える。谷のお陰で岡や沢田、アコスタなどは脚を溜められるベストな状況だ。
周回を重ねるにつれて逃げと集団の差は徐々に詰まっていき、逃げの人数も5名に減ったが、谷はしっかり前に残る。10周回目で集団は21名となり、そこから数名の追走が出るなど、集団の動きが活性化していく。
11周回目には逃げから宮崎選手が上りでアタック。谷がそれに反応し、再び1つとなるが、アグロティス選手が遅れて逃げは4名に。集団との差は42秒と、とうとう1分を切った。それを見計らったかのように集団から4名が飛び出し、それにブリッジする選手がいて追走が8名に。そこに宇都宮ブリッツェンからは武山とアコスタが乗る。
12周回目で再び宮崎選手が単独アタック。それが決まった頃、追走8名が追いついて勝負は1対11の構図に。しかしほどなくして後ろの11名からもドロップがあり、宮崎選手と8名の戦いとなって、宇都宮ブリッツェンはこの8名にアコスタ、武山、谷という最大人数の3名を入れた。このままいけば輪翔旗は取れる戦況となった。
逃げていた宮崎選手は残り4kmあたりで捕まるが、それを捕まえたのがアコスタだった。アコスタが力強く宮崎選手をパスすると、それについてきたのは 林原聖真選手(群馬グリフィンレーシングチーム)のみ。5日前にコロンビアから合流したアコスタにとって、このときコロンビアは夜中の1時頃。来日して早々、この動きは頼もしい。先頭はアコスタと林原選手の2名のみとなり、フィニッシュまで150mの上りで、先行するアコスタをまくる形で林原選手がアタック。アコスタもすぐに反応したが、脚がつってしまいつききれず2位。勝利は逃したが、武山が4位、谷が5位に入り、狙っていた輪翔旗を手にすることとなった。
岡はJプロツアーランキングでライバルの金子選手の徹底的なマークに合い、8名からは遅れて13位となったが、そのお陰で自由になったアコスタと武山は、谷に合流することができたとも言える。武山は少し遅れるシーンもあったが、8名の中にヴィクトワール広島からは孫崎選手とダイボール選手の2名がいたため、最低限、ダイボール選手より前で入らなければと奮起したそうで、コース途中の鈴木真理監督からの声掛けもあり、4位というリザルトも収め、ダイボール選手を6位に後退させることに成功した。フィニッシュ後に谷は言う。「岡選手が前に来られなくても他の選手で戦えたというのは、チームとしてもかなり大きかったのではないかと思う」
最後の表彰台は出場メンバー全員で上がり、輪翔旗を受け取った。真っ赤な輪翔旗が宇都宮へやってくるのを、楽しみに待っていていただきたい。