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2024/02/13 レース

【レポート】AJOCC JCX第9戦 / JCF第10戦 関西シクロクロス 二色の浜グランプリ

【レポート】AJOCC JCX第9戦 / JCF第10戦 関西シクロクロス 二色の浜グランプリ

 

▼開催日

2024年2月11日(日)

 

▼会場

二色の浜公園(大阪府貝塚市澤)

 

▼出場選手

小坂 光

 

▼競技概要

二色の浜海水浴場設コース(100m + 2.4km × 8Lap=総距離24.1km)

出走:60名

天気:晴れ

気温:9℃

レース時間:15時30分〜16時00分

▼レースレポート

初開催となる二色の浜グランプリのスタートを告げる号砲が晴天の下で轟いた。この日は小坂光にとって、宇都宮ブリッツェンの赤いジャージを着て走る最後のレースだ。

宇都宮ブリッツェン創設メンバーとして、ロードレースとシクロクロスの二刀流で長年戦ってきた小坂。まだシクロクロスが今ほど日本では行われていない黎明期に、世界選手権出場など第一線で活躍してきた父・正則氏の背を追って自転車に乗り始めた。

ロードレースではエースを支える献身的な走り、シクロクロスでは2度の全日本選手権優勝など宇都宮ブリッツェンにとって欠かせない存在であったが、このレース終了後には、四国初のプロロードレースチーム「ヴェロリアン松山」に完全移籍する。

会場となった二色の浜公園には、宇都宮から応援に駆けつけたファンもいる。小坂はレース前に「本当に嬉しいです。最後、しっかりいい走りをして感謝の気持ちを伝えられたい。コースは砂浜が長く、そこが一番のポイントになると思います」と語り、この日の目標を訊くと迷うことなく「優勝です」と答えてくれた。

ホールショットを決め、幸先よくスタートした小坂。スタート付近のホームストレートは舗装路からテクニカルなカーブが連続する松林区間へと突き進んで行く。コースはこの後、遊歩道を抜けるとパワーが求められる砂浜のサンドセクションや階段が待ち構えている。

副島達海選手(大阪産業大学)がわずかに抜け出し、すぐ後ろを小坂、横山航太選手(ペダル)が追って2週目に入った。小坂たちは3周目のサンドセクションで副島選手を捕まえる。前日は繰り返し砂浜で練習しており、小坂は深い砂でも勢いよくペダルを回す。

 

しかし副島選手、横山選手も力強い走りを見せ、レースは一進一退の攻防。小坂は4周目で遅れるシーンもあったがなんとか喰らいつく。5周目になると元全日本チャンプの竹之内悠選手(/slash Cinelli -Vision)が猛烈な追い上げを見せ、先頭パックに追いつく場面もあった。

小坂が動きを見せたのは6周目。先頭に抜け出すとサンドセクション、階段と華麗にこなし、自らペースを作り出す。すぐ後ろから迫るのは序盤から争っていた横山選手と副島選手だ。しかし、7周目のサンドセクションの直線で小坂がスピードダウンして、そのまま降車。バイクを押すことで対応するが、その横から2名が抜き去って行く。小坂は3番手に順位を下げてしまった。

そのままファイナルラップに突入し、小坂は先頭の横山選手、副島選手に15秒ほどリードを許すことに。そして追い上げてきた加藤選手と激しい3位争いを展開する。最後は副島選手が横山選手を振り切って優勝をもぎ取った。

3位はホームストレートでのスプリント勝負に持ち込まれたが、小坂が一枚上手だった。優勝こそ逃してしまったが、宇都宮ブリッツェンでのラストランで表彰台を獲得した。

 

小坂はレース後に「スプリントになったら力を出し尽くしてやるしかないと思った」と振り返ったが、足が攣る中でのスプリントだった。「ブリッツェン最後のレースだったので、最後は気持ちだけで走った」と苦笑い。そして、小坂はこう続けた。

「宇都宮ブリッツェンで活動して日本のシクロクロスを盛り上げる力に少しでもなれたかなと思っていますが、まだまだ走り続けますので引き続き応援していただけたら嬉しいです。若い選手たちも育てるので、僕も走りを見るのが楽しみですし、一緒にレースをするのも楽しみ。これからもシクロクロスが大好きなので続けていきたいと思います。今日はありがとうございました」

 

宇都宮ブリッツェンに小坂光という選手がいたから、宇都宮市内の城址公園や道の駅ろまんちっく村でのシクロクロス開催が実現したと言っても異論を唱える人はいないだろう。そしてその活躍は宇都宮市民はもちろん、全国のシクロクロスファンにも伝わった。

かつての父・正則氏のようにシクロクロス界を牽引する一人として、これからも小坂はシクロクロスを愛し、楽しむだろう。そして沢田時ら後輩たちと共に、これからもレースを盛り上げてくれるはずだ。

【小坂 光のレース後コメント】

今日は調子がすごく良く、優勝を狙ったが後半にミスが目立ってしまった。二人が強かった。でも最後は粘って、足が攣りかけていたが差すことができた。スプリントになったら力を出し尽くしてやるしかないと思った。ブリツェン最後のレースだったので、最後は気持ちだけで走った。遠く宇都宮からも応援に来てくれて、すごく声援が力になった。

宇都宮ブリッツェンで活動して日本のシクロクロスを盛り上げる力に少しでも慣れたかなと思っていますが、まだまだ走り続けますので引き続き応援していただけたら嬉しいです。若い選手たちも育てるので、僕も走りを見るのが楽しみですし、一緒にレースをするのも楽しみ。これからもシクロクロスが大好きなので続けていきたいと思います。今日はありがとうございました。

 

▼リザルト

 

1位 副島達海選手(大阪産業大学)53:13.0

 

2位 横山航太選手(ペダル) +0:01

 

3位 小坂光(宇都宮ブリッツェン)+0:28

 

 

※全リザルトは下記のURLからご確認ください。
https://data.cyclocross.jp/race/20384