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2023/05/25 レース

【レポート】ツアー・オブ・ジャパン2023 第5ステージ 信州飯田

TOJ2023信州飯田

ツアー・オブ・ジャパン2023 第5ステージ 信州飯田

 

▼開催日

2023年5月25日(木)

 

▼スタート&フィニッシュ

下久堅小学校グランド前(⻑野県飯田市下久堅940-1)

 

▼出場選手

阿部嵩之

フォン・チュンカイ

堀孝明

谷順成

小野寺玲

本多晴飛

 

▼競技概要

下久堅小学校グランド前→下久堅周回コース→下久堅小学校グランド前 パレード1.2km + 10.8km + 12.2km × 9周 + 0.3km = 総距離120.9km

出走:89名(16チーム)

スタート時の天気:晴れ

スタート時間:10:00

日本最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン(以下TOJ)」の第5ステージ信州飯田。KOM(山岳賞ポイント)へ向けた厳しい上りと、コントロールラインまで残り1㎞がまた上りというコースレイアウトで、第6ステージへ進める者をジャッジする日と言ってもいい。その翌第6ステージが富士山への11㎞のヒルクライムという、TOJのクイーンステージだけに、どれだけ脚を残せるかというせめぎ合いも発生するのが、レースを複雑に、おもしろくする。

 

1.2㎞のパレード走行ののち、0㎞ポイント通過直後からアタック合戦が始まる。激しい打ち合いの末、全8周中2周目で8名が逃げを成功させる。メンバーは岡篤志選手(JCL TEAM UKYO)、ジェス・イワート選手(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム)、ディーン・ハーヴィー選手(トリニティ・レーシング)、ライアン・カバナ選手、山本元喜選手(以上キナンレーシングチーム)、兒島直樹選手(チームブリヂストンサイクリング)、カーター・ベトルス選手、レオネル・キンテロ・アルテアガ選手(以上ヴィクトワール広島)。ここにフェリックス・スティリ選手(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム)、今村 駿介選手(チームブリヂストンサイクリング)が加わり、合計10名の逃げが先行する。

 

この逃げは強力で、集団との差は最大4分40秒ほどに。岡選手は総合8位で、総合トップのルーク・ランパーティ選手(トリニティ・レーシング)と23秒差。総合で言うとスティリ選手も25秒差で9位、キンテロ選手も28秒差で12位、今村選手も31秒差で16位。また兒島選手は山岳賞ジャージを着用しており、その次点についていたのがベルトス選手であった。この10名はほぼ全員が、このステージで各リーダージャージをモノにするという点で利害が一致していた。

 

こうなると逃げの勢いは止まらない。結果、集団に捕まることなく、終始落ち着いていた岡選手が単独フィニッシュでステージ優勝と総合リーダージャージを獲得した。

TOJ2023信州飯田

TOJ2023信州飯田

宇都宮ブリッツェンは谷順成の総合順位を落とさないのが命題で、集団内で谷を守りつつ、危険のないように待機。逃げが4分差になっても、西村大輝監督から「慌てず行こう。チームの目標のために走って行こう」と選手に声が掛けられた。最終局面まで集団内に残れていたのは谷のほかフォン・チュンカイ、小野寺玲、本多晴飛だったが、遅れたメンバーも翌日のスタートを切るために、とにかく完走を目指さなければならない。そんな献身的なチームのアシストを一心に背負った谷は、約2分半後にフィニッシュした集団からひとり飛び出し、上りをもがきにもがいてステージ10位に滑り込んだ。本多がラスト1㎞の上り口まで谷を押し上げたという。

 

谷にとっては8日間のTOJというのは初めてで、しかも今年移籍してキャプテンに就任し重圧もあるとは思うが、最後のもがきに谷キャプテンの覚悟と意地を見ることができたのではないだろうか。しかもこの信州飯田ステージは、昨年TOJ初日で落車をして、悔しいリタイアとなった場所だ。

 

チームは全員無事にゴールし、明日の厳しいヒルクライム、富士山ステージに臨む。

TOJ2023信州飯田

TOJ2023信州飯田

【谷順成のレース後のコメント】

今日は僕らの目標(※注 谷の総合上位を守る)を達成するために、落ち着いて走ろうということでスタートした。逃げが4分以上離れたが、その中でも自分たちの目標を見失わずに走ることができたと思う。最初から最後まで、どんな場面でも必ずチームメイトがそばにいてくれたおかげで、自分の走りに集中することができた。チームとしては今日もうまく走れたと思う。逃げと4分差が開いても、監督からは「落ち着いて行こう。僕たちの目標のために走ろう」という無線が入っており、チームメイトは常に補給食やドリンクを運んできてくれた。僕は慌てることなく、集中して走ることができた。昨年、この飯田ステージで落車し、初日にしてリタイアとなって、とても悔しい思いをしたステージだった。それだけにステージトップ10に入れたことは、成長できたのかなと感じる。今日はスタートからコンディションがいいと感じたので、明日の富士山ももう一度集中して、今日以上のパフォーマンスを発揮したいと思う。

 

TOJ2023信州飯田

TOJ2023信州飯田

TOJ2023信州飯田

▼第5ステージリザルト

 

1位 岡篤志(JCL JCL TEAM UKYO) 3:06:11

2位 ライアン・カバナ(キナンレーシングチーム、オーストラリア) +00:05

3位 ジェス・イワート(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム、アイルランド) +00:07

 

10位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +02:31

35位 本多晴飛(宇都宮ブリッツェン) +02:48

47位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +05:42

49位 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン) +05:56

64位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン) +10:20

83位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +17:18

 

 

▼第5ステージ終了後の個人総合成績

 

1位 岡篤志(JCL JCL TEAM UKYO) 12:16:07

2位 フェリックス・スティリ(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム、スイス) +00:34

3位 カーター・ベトルス(ヴィクトワール広島、オーストラリア) +01:48

 

15位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +02:55

36位 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン) +09:38

38位 本多晴飛(宇都宮ブリッツェン) +10:08

52位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +18:25

77位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン) +35:24

83位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +45:38

 

※本日のレースリザルトは下記のURLからご確認ください。

https://toj.co.jp/2023/file_upload/100298/_main/100298_01.pdf