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2026/06/27 レース

【レポート】第 94 回 全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース 男子U23

【レポート】第 94 回 全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース 男子U23

 

▼開催日

2026年6月27日(土)

 

▼スタート&フィニッシュ

三国川ダム周回コース (新潟県南魚沼市清水瀬、舞台付近)

 

▼出場選手

菅野蒼羅、阿蘓来夢、秋元碧

 

▼競技概要

三国川ダム周回コース(左回り) 12.0km × 11周 総距離132.0km

出走:110名

スタート時間:8:00

▼レースレポート

国内王者を決定する全日本自転車競技選手権大会ロード・レースが、新潟県南魚沼市にて開幕した。大会初日の午前は、23歳以下のナンバーワンを決める男子U23のレースが実施された。

 

舞台となる三国川ダム周回コースは、1周12kmの中に高低差約200mの上り坂が組み込まれたレイアウトだ。この上り区間を計11回通過するため、周回を重ねるごとに集団が絞り込まれ、サバイバルレースになることが予想された。

 

Astemo宇都宮ブリッツェンからは、菅野蒼羅、阿蘓来夢、秋元碧の3名が出場。菅野はU23最後の年。秋元はU23最初の年だ。ライバルたちは、すでにエリートレースでも結果を残す選手が多数。その中で、勝負のワンチャンスを逃さぬよう、U23全日本チャンピオンジャージを目指す。

 

<レース前の菅野のコメント>

「この全日本選手権ロードに向けて、しっかりと練習を積んでくることができました。あとは本番で自分の力を出し切るだけです。調子は良いと感じています。
現在は雨が降ってきており、特に序盤の下り区間などは非常に危険なコンディションになると思われます。そのため、しっかりと前方での展開を維持しつつ、後半の勝負どころを迎えた際には、自分の持ち味である足を活かした走りをしていきたいと考えています」

 

<レース前の阿蘓のコメント>

「コンディションは絶好調です。今日のレースでは、目標としてまずはトップ10への入賞を目指します。レース展開としては、最終的に少人数に絞られた集団によるスプリント勝負に持ち込み、そこでしっかりと勝ちきりたいと考えています」

 

<レース前の秋元のコメント>

「U23の1年目となります。先週開催される予定だった学連の大会に向けて調整を進めていたため、そこである程度の調子を把握できると考えていましたが、大会が中止となってしまいました。そのため、実戦での手応えとして未知数な部分もありますが、間違いなく調子は良いと感じています。
U23の1年目らしく、まずは積極的な走りを心掛けつつ、周囲の状況もしっかりと観察し、自分が仕掛けられるタイミングを見極めて最後までいききりたいと思います」

 

ダブル台風の接近により開催が危ぶまれたものの、レースは予定通りにスタートした。朝からしとしとと雨が降り、路面はウエット。気温20度と半袖では少し肌寒さを感じる気候ながら、高い湿度の中でのレースとなった。なお、一般公道を使用した全日本選手権の開催は、2018年の島根県益田大会以来のことである。
レースはスタート直後から2名がアタックを仕掛け、すぐに3名の逃げ集団が形成された。1周回目を終えた時点でメイン集団とのタイム差は19秒を記録したものの、2周回目に入るとまもなく集団に吸収された。続く3周回目に入ると集団は縦に長く伸び始め、後方からは遅れる選手が出始める展開となった。
この序盤、Astemo宇都宮ブリッツェンは大きな不運に見舞われた。秋元が1周回目からパンクを喫し、ホイールを交換してリスタートしたものの、その後再びパンク。単独でプロトンを追う執念の走りを見せたが、不運の連鎖を断ち切ることはできず、3周回完了をもってレースを降りることとなった。

動きがあったのは4周回目。住田悠人選手(VC FUKUOKA)、山里一心選手(シマノレーシング)、新藤大翔選手(HPCJC-BRIDGESTONE ANCHOR)の3名が先行を開始した。今年の全日本選手権U23個人タイムトライアルの1位(山里選手)、3位(新藤選手)、4位(住田選手)を占めた強力なメンバーによる逃げの形成となった。このタイミングで雨が上がり、後方からは小林龍平選手(稲城フィッツクラスアクト)と伊東景佑選手(京都産業大学)の2名が追走を開始。5周回目に入るコントロールラインでは、先行する3名と追走2名との差が17秒、さらにメイン集団までは33秒差となった。その後、追走の2名が合流し、先頭の逃げは5名へと拡大。上空には太陽がのぞき、路面は徐々に乾き始めた。

 

6周回目に入ると、逃げの5名とメイン集団との差は11秒まで縮まり、吸収は目前と思われた。ここで集団から菅野が鋭く仕掛け、2名で追走を開始する。しかし7周回目に入る局面で、先行する5名と集団との差は再び1分18秒へと拡大。菅野は集団へと引き戻されたが、この動きをきっかけにメイン集団のペースは一気に活性化した。
8周回目、先頭の5名に神谷啓人選手(愛三工業レーシングチーム)と曽根田仁選手(TEAM UKYO)の2名が追いつき、逃げ集団は7名となった。これに対してメイン集団もさらにスピードを上げ、フランスを拠点に活動する望月蓮選手(Bourg-en-Bresse Ain Cyclisme)が先頭に立って集団を強烈に牽引。この引きによって集団はバラバラに分断されながらも先行していた7名を一気に捉え、先頭は20名ほどの小集団へと再編された。

この決定的な勝負の局面で、チームに再び不運が襲う。先頭に位置していた菅野がパンクに見舞われた。タイヤを見ると太い釘が刺さっている状態だった。菅野はすぐに単独での追走を開始したものの、集団がバラバラになり各地で中切れが発生している過酷な状況下ではギャップを埋めることができず、勝負を決める先頭集団へ復帰することは叶わなかった。

 

9周回目に入る時点で、先頭の20名と、後方で追う24名の小集団とのタイム差は12秒。ここから先頭集団の新藤選手が単独で先行を企てると、ここに望月選手が合流する。ともに欧州での活動経験を持ち、タイムトライアルでも成績を出す、高い独走力を備えた2名だ。

残り2周となる10周回目、先行する2名と後方集団との差は37秒。追走集団はやや人数を戻して34名となり、Astemo宇都宮ブリッツェンからは阿蘓のみがこの中に残った。

先頭では10周回目完了まで残り3kmの地点で新藤選手が遅れ、望月選手が単独での独走を開始する。最終周回に入るコントロールラインでは、独走する望月選手と追走する新藤選手との差が12秒、20名ほどに絞り込まれた後方集団までは54秒の大差がついた。この激しいペースアップの局面で、阿蘓は集団からドロップを余儀なくされた。

 

レースはそのまま望月選手が圧倒的な強さを見せて独走で逃げ切り、U23全日本王者の栄冠を勝ち取った。上位に入ったのは、すでにJプロツアーでの勝利実績を持つ選手や、欧州での活動、あるいはナショナルチームとして海外レースの経験を豊富に積んできた、エリートカテゴリーでも即座に通用する実力者たちであった。
Astemo宇都宮ブリッツェンは、レースを通して度重なる機材トラブルに見舞われ、本来の力を発揮して勝負に絡む展開を作ることができなかった。チームにとっては非常に悔しさの残る結果となったが、この厳しい経験を糧に、立て直しを図っていく。そして明日のエリートレースに望みを繋ぐ。

▼リザルト

1位 望月蓮(Bourg-en-Bresse Ain Cyclisme)3h25'41"

2位 島崎将男(群馬マンモスレーシング) +0'03"

3位 渡辺一気(京都産業大学) +0'03"

 

29位 阿蘓来夢(Astemo宇都宮ブリッツェン) +5'52"

46位 菅野蒼羅(Astemo宇都宮ブリッツェン) +11'06"

DNF 秋元碧(Astemo宇都宮ブリッツェン)

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。(速報値)

https://matrix-sports.jp/lap/result.php?evt=260628_jprr