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2026/10/09 レース

【レポート】がんばろう熊本 マイナビ ツール・ド・九州 2026 エキシビション 佐世保 クリテリウム

【レポート】がんばろう熊本 マイナビ ツール・ド・九州 2026 エキシビション 佐世保 クリテリウム

 

▼開催日

2026年10月9日(金)

 

▼スタート&フィニッシュ

佐世保ポートサイド公園(長崎県佐世保市新港町4-1)

 

▼出場選手

谷 順成

増田成幸

岡 篤志

セルジオ・トゥ

宮崎泰史

菅野蒼羅

 

▼競技概要

させぼ五番街周辺特設コース 1.5km × 30周回 総距離45km

出走:106名

スタート時間:13:00

▼レースレポート

4日間にわたる「がんばろう熊本 マイナビ ツール・ド・九州2026」が長崎県佐世保市で開幕を迎えた。初日の佐世保クリテリウムは、翌日からの本戦の総合成績には影響しないエキシビションレース。しかし、現在UCI世界ランキング 1位のUAE チームエミレーツ・XRGをはじめ、海外のUCIワールドチームやプロチームなど強力な勢力が集結する一戦であり、本戦に向けたコンディションの調整や勢いをつける意味でも、各チームが勝利を目指す重要な開幕戦だ。

 

舞台となるのは、商業施設「させぼ五番街」や佐世保駅に隣接する1周1.5kmの市街地特設コース。今大会からはプロムナードゾーン(遊歩道)を通過するルートへと一部変更され、カーブ数が減ったことで昨年以上に高速なレース展開が予想される。また、スタート・フィニッシュライン周辺には石畳が配されており、ハイスピード下での立ち上がりの後に高度なバイクコントロール技術が要求されるレイアウトとなっている。

 

海外勢を中心とした波状攻撃によって集団が引き伸ばされる展開が予想される中、終盤の集団スプリント勝負、あるいは昨年のように少数の逃げ切りを狙う展開、その双方への対応が勝敗を分ける。高速かつコース特性上、終始インターバルがかかるのは必至で、いかに前方グループへ選手を送り込めるかが焦点となる。

 

Astemo宇都宮ブリッツェンは、キャプテンの谷順成を中心に、ベテランの増田成幸、スプリント力を持つ岡篤志、そして宮崎泰史、セルジオ・トゥ、菅野蒼羅の6名で挑む。昨年の同大会では谷、岡が体調不良による直前の欠場で悔しさを味わったが、今大会はチームの核となるメンバーが揃い、盤石の体制で臨めることとなった。

 

<レース前の谷のコメント>

「昨年、私と岡選手は体調不良で直前にレースをキャンセルしてしまった。今年は私たち2人を含め、強い気持ちで来ている。来週、宇都宮ジャパンカップという、僕たちにとってホームレースとなるUCIレースがある。その前にここで大きな爪痕を残すような走りをしたい」

 

<レース前の岡のコメント>

「今日のクリテリウムを個人的には非常に狙ってる。九州の皆さんの前でいい走りができるように頑張りたい」

 

スタート前には一時小雨がパラつき、濡れた路面による落車への緊張感が漂う中、1周のパレード走行を経てアクチュアルスタートが切られた。1周目からUAEチームエミレーツ・XRGが集団の先頭に立ってコントロールを開始すると、Astemo宇都宮ブリッツェンも前方へトゥや谷を送り込み、慎重に位置取りを進める。2周目にはトゥ、3周目には谷が自ら集団の先頭を引く場面を見せ、4周目には岡が集団前方へ浮上した。コースの高速化に伴い集団は常に縦長く引き伸ばされ、後方では随所で中切れが発生する厳しい展開が続く。7周目に入り、岡は20番手付近の好位置をキープ。トゥと谷も岡から10〜20人ほど後ろの位置で勝負権を維持しながら周回を重ねていった。

レースが折り返しに近づく12周目、ハイスピードな展開によって前方集団の絞り込みが進み、先頭は36名にまで減少。Astemo宇都宮ブリッツェンからは岡がこの主要グループに残った。先頭集団内では様々なチームによる果敢なアタックが繰り出されたものの、ケヴィン・ヴェルマーク選手(UAEチームエミレーツ・XRG)によってことごとく潰される展開が続く。16周目には先頭集団が34名へと絞られ、日本人としては岡のほか、野崎然新選手(日本ナショナルチーム)、新城幸也選手(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ)、横塚浩平選手、山本大喜選手(以上、VC福岡)、久保田悠介選手、中村圭佑選手(以上、ヴィクトワール広島)が残る展開となった。

 

勝負が動いたのは18周目に入る直前だった。8名の選手が飛び出すと、そこに2名が追従し、19周目のコントロールラインでは10名の先頭集団が形成される。岡は一旦追走集団に取り残される形となったが、残り10周となる20周目に単独で自らの脚を削り、前方の集団へブリッジを試みた。追走集団内では各チームの思惑が交錯し集団に蓋がされかけるその直前、岡は渾身の追いつきを見せ、ギリギリのタイミングで先頭グループへの合流に成功した。

 

直後の22周目、先頭11名の中からディラン・ホプキンズ選手(ルージャイ・インシュランス・ウィンスペース)が単独アタックを仕掛けたが、これはほどなくして集団へと吸収される。続く23周目にはUAEチームエミレーツ・XRGの1名が追いついて先頭は12名となり、追走との差を確実に押し広げていく。このハイスピード展開により周回遅れとなった選手が相次いで降ろされ、24周目時点でコース上に残る選手は32名、Astemo宇都宮ブリッツェンでは岡1人に絞られた。

 

25周目に入ると前方の逃げが吸収され、集団は再び1つにまとまった。終盤に向けて断続的なアタックが勃発する中、岡は集団前方で勝機をうかがう。28周目に先頭集団が30名に絞り込まれた局面でも岡は10番手付近の好位置をキープ。29周目、再びホプキンズ選手が単独で先行を開始し、それを追う動きで集団が縦長に引き伸ばされると、岡も逃さず追走に加わった。

 

観客の熱気が最高潮に達する中、ファイナルラップに入るコントロールラインで岡が力強く前に出ると、先頭で周回を通過し沿道を大きく沸かせた。ラスト1kmの局面でルーク・バーンズ選手(ヴィクトワール広島)が早いタイミングから単独先行を仕掛け、後方からはアスタナの隊列が猛追を開始する。バーンズ選手は追いすがるメイン集団をわずか0.15秒差で振り切り、薄氷の勝利を飾った。

 

集団でのフィニッシュ勝負となった岡はトップと1.96秒差の11位でフィニッシュ。世界基準の強豪がひしめく超高速クリテリウムの中で日本人最高位を獲得し、表彰式では見事ベストジャパニーズ賞を受賞した。振り返ってみると完走できたのは30名。アベレージスピードは48.2km/hだった。岡は単独で先頭へとジャンプする力強い走りと勝負強さを見せ、Astemo宇都宮ブリッツェンとしては明日から始まる本戦に向けて、大きな弾みをつける開幕戦となった。

レース後の岡のコメント

非常に厳しいレースで、コーナーも多く、後ろにいるとかなり脚を使うような展開だった。自分自身も終始呼吸が粗くなる厳しい走りとなり、終盤には周回数を若干誤認してラスト1周手前でもがいてしまった。途中で気づいたものの、一度位置を下げてしまい、そのままポジションを上げきれなかった点には悔しさが残る。それでも、最低限ベストジャパニーズ賞を獲得できたことは良かったと感じている。

今日はワールドチームやプロチームなど格上のチームが多数参戦していたため、チームとしてのレースというよりは、個人でどこまで勝負できるかというプランで臨んだ。何度か発生した集団の分断に食らいつき、前々でレースを展開するという点においては概ねプラン通り進められたものの、最後に力と展開力が及ばなかった。

スタート前は雨がパラついて不安もあったが、無事に雨も降り出すことなく、非常に多くの観客の皆様の温かい声援の中でレースができて本当に楽しかった。レースとしては明日からのステージレースが本番となるので、今日のレースを良い刺激として、明日からさらに上位を目指して頑張りたい。

▼リザルト

1位 ルーク・バーンズ(ヴィクトワール広島)55’54”

2位 イヴォ・オリヴェイラ(UAEチームエミレーツ・XRG)+0’00”

3位 イェロン・メイヤース(ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング)+0’00”

 

11位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン)+0’00”

DNF 谷順成(Astemo宇都宮ブリッツェン)

DNF セルジオ・トゥ(Astemo宇都宮ブリッツェン)

DNF 宮崎泰史(Astemo宇都宮ブリッツェン)

DNF 増田成幸(Astemo宇都宮ブリッツェン)

DNF 菅野蒼羅(Astemo宇都宮ブリッツェン)

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://tourdekyushu.asia/manager/wp-content/uploads/2026/10/Sasebo_C02.pdf