【レポート】がんばろう熊本 マイナビ ツール・ド・九州 2026 stage3 宮崎日南ステージ
▼開催日
2026年10月12日(月)
▼スタート&フィニッシュ
スタート:ひなた宮崎県総合運動公園(宮崎県宮崎市熊野1443-12)
フィニッシュ:宮崎県庁前(宮崎県宮崎市宮崎県宮崎市橘通東2-10-1)
▼出場選手
谷 順成
増田成幸
岡 篤志
セルジオ・トゥ
宮崎泰史
菅野蒼羅
▼競技概要
ひなた宮崎県総合運動公園 〜 日南海岸 〜 飫肥城下町 〜 黒潮ロード 〜 大戸野越 〜 宮崎県庁前
総距離123.6km
出走:95名
スタート時間:9:00
▼レースレポート
UCIアジアツアー2.1に格付けされる「がんばろう熊本 マイナビ ツール・ド・九州2026」は、最終日となる第3ステージの宮崎日南ステージを迎えた。今大会は全3ステージで争われ、Astemo宇都宮ブリッツェンは、谷順成、増田成幸、岡篤志、宮崎泰史、セルジオ・トゥ、菅野蒼羅の6名全員が最終ステージへと駒を進めた。
日差しが強く、汗ばむような陽気の中、ひなた宮崎県総合運動公園をスタートし、日南海岸沿いを南下したのち、日南市の飫肥城下町周辺の周回コース、そして中盤以降に黒潮ロードや大戸野越といった厳しい山岳ポイントを越え、宮崎県庁前へとフィニッシュする総距離123.6kmのコースで争われた。コース前半から中盤にかけて細かなアップダウンや山岳ポイント(3級山岳2回、1級山岳2回)が連続し、タイムボーナスが付与されるスプリントポイントも3か所ある。ワールドツアーチームをはじめとする強豪勢との激しいサバイバルレースが予想される中、チームは個人総合の上位浮上、そしてステージ優勝をかけて過酷な最終戦に挑んだ。
<レース前の増田のコメント>
「自分自身のできることを最大限やってきているので、コンディションはベストな状態である。最終日の宮崎ステージを迎えるにあたり、ここまでの段階で谷順成キャプテンが個人総合順位で上位につけている。昨日の厳しいステージでも、谷キャプテンは肉体的にも厳しい中で、最後まで諦めずに先頭グループに追いつき、今日の最終日に繋げてくれた。今日大きく順位が入れ替わる可能性があるが、現在UCIポイント圏内につけているものの、わずか1秒のタイム差をつけるだけで一気にジャンプアップできるチャンスがある。今日はそのチャンスを狙っていきたい。また、今日も登りが厳しいステージであるが、岡本選手がうまく立ち回って残ることができれば、最後のゴールスプリントで勝負できると思っている。谷キャプテンの総合ジャンプアップや岡本選手のステージ上位進出に向けて、二人の走りをしっかりサポートしていきたい。自分自身の走りも見せつつ、最終日を楽しんで走りたい」
パレード走行を終えてアクチュアルスタートが切られると、直後から激しいアタックの応酬が始まり、約10kmにわたって気の落ち着かないレースが展開された。レースが動いたのは残り102km地点。アレッサンドロ・イアッキ選手(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ)、小石祐馬選手(キナンレーシングチーム)、ラマン・ツィシコウ選手(リーニン・スター)、ジェビン・ユン選手(ルージャイ・インシュランス・ウィンスペース)、アドネ・ヴィレムヤン・ファン・エングレン選手(トレンガヌ・サイクリングチーム)、イエロン・メイヤース選手、ニコル・パレハ選手(以上ヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリング)の7名による逃げグループが形成された。
レースは7名と集団の構図を保ったまま進んだが、周回コースに位置する3級山岳「楠原」へ向かう登り手前で、トタルエナジーズが集団の牽引を開始。1分40秒あったタイム差は一気に26秒まで縮まり、メイン集団には谷、岡、宮崎、増田、トゥが残って追走を続けた。
残り53km、1級山岳「黒潮ロード」の登りに入ると、集団は縦長に引き伸ばされて分解。先頭グループは17名に絞られ、岡がここに入る一方、谷は一時的に遅れをとった。そして残り52kmでツール・ド・フランス総合10位の実績を持つジョルダン・ジェガット選手(トタルエナジーズ)が単独で飛び出すと、集団はこの動きを容認し、ペースが一旦落ち着いた。残り50kmでメイン集団が再び膨らみ、谷もメインへと復帰を果たす。
しかし、1級山岳「黒潮ロード」の山頂まで残り2km(残り48km地点)のところで、今度は岡が遅れを喫する。メイン集団は30名ほどに絞られたが、谷は落ち着いて集団内をキープ。山岳通過時点で単独逃げとの差は約40秒となり、その後、岡も追いついてメイン集団は40名ほどに再編された。
残り42kmからはリーダージャージを擁するUAEチームエミレーツ・XRGが集団をコントロール。残り40kmでそのペース作りに痺れを切らしたリーニン・スターが集団の前面に出てペースアップを図ると、集団は再び30名ほどに絞り込まれたが、谷と岡の2名はしっかりと食らいついた。
残り33km地点では逃げとの差が1分17秒まで開く中、集団は分裂と集結を繰り返す展開が続いた。残り30km地点の最後の1級山岳「大戸野峠」に向けて飛び出しを図る動きが相次ぎ、峠を越えてからも統制が取れない混戦模様となったが、リーダーのイヴォ・オリヴェイラ選手(UAEチームエミレーツ・XRG)自らが動き、飛び出した選手たちと会話を交わしながら集団を制圧していった。
残り25kmでメイン集団は30名となり、逃げとのタイム差は1分。集団に残る日本人は谷、岡のほか、小石選手(キナンレーシングチーム)、鎌田晃輝選手(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ)、島崎将男選手(日本ナショナルチーム)の5名のみ。日本チームとしては、Astemo宇都宮ブリッツェンが谷と岡の2名、キナンレーシングチームが小石選手とレイン・タラマエ選手の2名、VC福岡がベンジャミ・プラデス選手1名、ヴィクトワール広島がルーク・バーンズ選手1名となり、Astemo宇都宮ブリッツェンは日本人を複数入れ、強豪ひしめく中で確かな存在感を示した。
残り17kmで逃げとの差は16秒まで縮まり、前方の姿を視界に捉えると、残り11km地点でついに吸収。集団は27名に絞られたが、岡と谷は変わらず先頭グループに位置取りを続けた。
フィニッシュに向けて散発的なアタックが発生するも、オリヴェイラ選手自らのチェックによってすべて封じ込められた。スプリント勝負に向け、岡は集団内で着実に位置を上げていき、集団が21名に絞られた残り1km地点で13番手付近につける。この時点で集団内に残る日本人選手は岡、谷、小石選手の3名となった。
そしてとうとう残り400mの最終コーナー。岡は10番手前後で立ち上がる。脚がつりかける厳しい状況に直面しながらも、世界の強豪チームを相手に最後まで粘り強いスプリントを見せ、見事に6位でフィニッシュ。この走りで岡はステージのベストジャパニーズ賞を獲得した。
「最後は少し脚がつって思ったようにスプリントできず悔しさが残る」と振り返った岡だったが、世界の強豪が集うサバイバルレースの中で確実にトップ争いへと食い込んだ。また、チームを牽引した谷も「チームメイトが自分のために位置を上げてくれ、登りでも仲間が近くにいてくれたおかげで最後まで踏ん張れた」と語り、チーム一丸となったアシストと連動した立ち回りに大きな手応えを示した。
今大会の最終的な個人総合順位では、谷が18位、岡が25位でフィニッシュを果たした。クラス2.1のUCIアジア・ツアーにおいて、最終総合上位25位までに付与される貴重なUCIポイントの獲得条件を満たし、2名揃ってポイントを持ち帰ることに成功した。特に前日時点で総合38位だった岡は、最終日のサバイバルな宮崎日南ステージで粘りの走りを見せて一気に順位を大ジャンプアップさせ、見事にトップ25の枠に滑り込む勝負強さを発揮した。この大会が始まる前、岡は「厳しいレースになると思うが、何とか爪痕を残したい」と語ったが、全4日間のステージを通じて岡が2度のベストジャパニーズ賞を獲得し、谷とともに貴重なUCIポイントを持ち帰るなど、Astemo宇都宮ブリッツェンはチーム力の高さと世界のトップシーンで戦える走りを証明する大会となった。このツール・ド・九州で得た手応えと勢いを胸に、チームは今週末に控えるシーズン最大の目標、ホームでの宇都宮ジャパンカップへと挑む。
最後になりますが、本場ヨーロッパのレースを彷彿とさせる素晴らしい大会を運営してくださった関係者の皆様、コースとして沿道を提供してくださった地域の皆様、そして温かいご声援を送り続けてくださったファンの皆様に、心より感謝申し上げます。
▼レース後の岡のコメント
自分自身もかなり登りで厳しい状況が何度かあったが、その中で最後ギリギリ先頭集団に残ることができ、優勝争いにまず駒を進めることができた点は良かったと思っている。ただ、最後は少し脚がつってしまって思ったようにスプリントできなかったので、そこは悔しさが残る終わり方となった。全4日間のうち半分のステージでベストジャパニーズ賞を獲得でき、表彰台に上がることができたが、やはり最低限日本人トップというのは目指していたところであったものの、世界の中でどこまで戦えるかという部分では、まだまだ力不足を感じるレースとなった。今週の宇都宮ジャパンカップに向けて、本当に良い刺激になったと思っている。
▼レース後の谷のコメント
大会前にチーム全員で全コースを下見できたことが非常に良かった。常にチームメイトが自分のために位置を上げてくれ、今日も増田選手が自分を登りの麓まで引き上げてくれ、その姿はワールドツアーチームに肩を並べる勢いだった。岡選手も1級山岳に入った際に自分の位置を上げられるよう引っ張ってくれたりと、常に仲間が近くにいてくれたおかげで最後まで踏ん張ることができた。最後に残った27人にも岡選手がいてくれたので、非常に勇気をもらい、最後まで戦うことができた。去年は自分と岡選手が体調不良で出られなかった悔しさがあったが、今年は二人でベストジャパニーズ賞やUCIポイントを持ち帰ることができたのは非常に大きいと感じている。この勢いを今週の宇都宮ジャパンカップへしっかり繋げていきたい。
▼第3ステージリザルト
1位 イヴォ・オリヴェイラ(UAEチームエミレーツ・XRG) 2h34’46”
2位 アレクサンドル・ドゥレトル(トタルエナジーズ) +0’00”
3位 ルーク・マッジウェイ(リーニン・スター) +0’00”
6位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +0’00”
21位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +0’00”
61位 宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン) +9’36”
67位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +9’36”
81位 セルジオ・トゥ(宇都宮ブリッツェン) +15’19”
86位 菅野蒼羅(宇都宮ブリッツェン) +15’19”
▼大会総合リザルト
1位 イヴォ・オリヴェイラ(UAEチームエミレーツ・XRG) 8h47’36”
2位 ルーク・マッジウェイ(リーニン・スター) +0’16”
3位 アレクサンドル・ドゥレトル(トタルエナジーズ) +0’26”
18位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +0’32”
25位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +2’06”
57位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +15’09”
64位 宮崎泰史(宇都宮ブリッツェン) +19’12”
68位 菅野蒼羅(宇都宮ブリッツェン) +20’52”
89位 セルジオ・トゥ(宇都宮ブリッツェン) +28’11”
※全リザルトは下記URLをご参照ください。
https://tourdekyushu.asia/manager/wp-content/uploads/2026/10/C14.pdf
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