【レポート】ツアー・オブ・ジャパン 2026 第8ステージ SPEEDチャンネル 東京(UCIアジアツアー2.2)
▼開催日
2026年5月31日(日)
▼スタート&フィニッシュ
大井埠頭(東京都大田区東海)
▼出場選手
谷順成
増田成幸
フォン・チュンカイ
岡篤志
武山晃輔
宮崎泰史
▼競技概要
大井埠頭周回コース パレード1.9km×2周回+6.5km×16周 総距離104.0km
出走:76名
スタート時間:11:00
▼レースレポート
8日間にわたる過酷な熱戦のフィナーレを飾る東京ステージ。大井埠頭に設けられた1周6.5kmの広大で平坦な特設周回コースを16周する。コースは完全に平坦で遮るものがなく、ハイスピードバトルになること必至だが、東京湾からの強い海風が展開に大きな影響を与えることも。ここまで生き残った全チームのスプリンターとそのトレインが、有終の美を飾るべく猛烈なトップスピードでフィニッシュラインへ突入する。
Astemo宇都宮ブリッツェンは全員でこの最終ステージを迎えることができた。ステージレースの場合、フィニッシュできなければ翌日はスタートできない。実はウズベキスタン ナショナルサイクリングチームはチームごといなくなってしまい、他にも2、3名しか残っていないチームもある。今日はスプリント勝負になること必至のため、エースの岡篤志を谷順成、増田成幸、フォン・チュンカイ、武山晃輔、宮崎泰史の5名でアシストする。
<レース前の岡のコメント>
「今日はスプリントの展開が予想されるステージとなります。今大会はかなりスプリントに自信のあるチームが多いと感じているので、逃げ切りという展開になる確率はかなり低いのではないかと思っています。正直なところ、こうしたド平坦でのスプリントというのは自分自身の得意分野というわけではありません。位置取りの運など、様々な要素が噛み合って勝者が決まります。そういった中で、しっかりとチャンスを見つけて勝負したいです。今日は会場にブリッツェンのサポーターの皆様もバスツアーなどでたくさん来てくださっているので、皆様の前で良い結果が出せるように頑張りたいと思います 」
定刻の11時、有終の美を飾るべくハイスピードなバトルが幕を開けた。1周回目から集団内では激しいアタックの応酬が繰り広げられたものの、互いに決定打を許さない一進一退の攻防が続く。
レースが動いたのは2周回目だった。住田悠人選手(VC福岡)、ジェ・イキー選手(トレンガヌ サイクリングチーム)、織田聖選手、南和人選手(以上、愛三工業レーシングチーム)、そしてフランチェスコ・カロッロ選手(スワットクラブ)の5名が集団から飛び出し、この日の逃げ集団を形成。メイン集団とのタイム差を最大約1分20秒まで広げて、先行を続けた。この展開に対し、Astemo宇都宮ブリッツェンは焦ることなく6名全員がメイン集団内で待機。エース岡の脇を固めて冷静にチャンスをうかがう。
レース中盤、9周回目にアクシデントが発生する。フィニッシュまで残り3kmの看板を過ぎた大井南陸橋下交差点において、先行していた逃げグループ内で落車が発生。これにより前方の逃げは南選手とカロッロ選手の2名に絞られることとなった。
その後、勢いを増したメイン集団は11周回目に入ったところで逃げを完全に吸収。リセットされた展開から再び激しいアタック合戦が始まると、各チームの強力な選手たちが次々と仕掛け合い、その熾烈な打ち合いの末、抜群のパワーで抜け出したトンマーゾ・ダーティ選手(TEAM UKYO)が単独でのアタックを成功させた。しかし、この独走も長くは続かず、12周回目に入るコントロールライン通過時にダーティ選手は集団に捕らえられた。再び活性化するであろう次なるアタック合戦を見据え、Astemo宇都宮ブリッツェンからは宮崎がチェックの動きに回り、次の勝負へ備える。
続いて、山田拓海選手(シマノレーシングチーム)とジャコモ・ガラヴァーリャ選手(スワットクラブ)の2名が飛び出し、新たな逃げを形成。この2名はファイナルラップまで粘り強く逃げ続けたものの、メイン集団がコントロールする圧倒的なスピードの前にはタイム差を10数秒しか広げることができず、レースは目論見通り大集団によるスプリント勝負へと持ち込まれた。
フィニッシュまで残り4km。Astemo宇都宮ブリッツェンは、スプリント勝負を制するという強い意思を示すかのように、集団前方で力強く隊列を組織。増田、フォン、岡、武山の順でトレインを組み、エース岡を最高のポジションへと引き上げていく。残り1.5kmを切り、各チームが激しく被せてきたことでチームの隊列はやや崩れかけたが、フォンが驚異的な粘りで集団先頭を懸命に牽引。そこから5、6番手後方の好位置に岡と武山が控える形で勝負の瞬間を待った。
残り1kmの看板を通過したところでフォンがすべての役目を終え、勝負の行方は最後の左コーナーの位置取りへと委ねられた。Astemo宇都宮ブリッツェンは集団前方で勝負をかけたものの、ゴール前特有の激しい混戦と他チームの激しい位置取りに阻まれ、本来の連携の形を組むまでには至らない。エース岡はスプリントトレインから孤立を余儀なくされ、17番手あたりでこの最終コーナーをクリアすることとなった。
前方にライバルたちがひしめき、岡はやや進路を塞がれ気味になったものの、けっして諦めることなく自身の右側へと進路を変更。集団の外側に開けたクリアなラインを見出すと、残り100mの標識を過ぎたところから、満を持して大外から持ち味の爆発的なスプリントを開始した。しかし、激しい優勝争いのスプリント自体は岡の左側で展開される形となり、他選手の後方に滑り込んでスリップストリームを利用することができないタフな状況に。それでも岡は単独で猛烈な追い上げをみせ、驚異的なスピードで9位まで番手を上げてフィニッシュラインを駆け抜けた。この最終ステージを制したのは、ルーカス・カールステンゼン選手(キナンレーシングチーム)だった。
今大会、Astemo宇都宮ブリッツェンは出走した6名全員が過酷な8日間を戦い抜き、無事に東京ステージでフィニッシュ。個人総合時間順位では、谷の13位がチーム最高位となった。
本日、会場となった大井埠頭には宇都宮から応援バスツアーも組まれ、まるでホームゲームを戦っているかのような大声援が選手たちの背中を押し続けた。その大応援団の皆様に感謝することはもちろん、8日間のステージレースを準備、支えてくださった大会スタッフや関係者の皆様、公道を提供し温かく迎えてくださった地域の皆様、そして全国から様々な形で熱いご声援を送り続けてくださったファンの皆様に、チーム一同心より御礼申し上げたい。
この8日間の激闘で得た経験と確かな手応え、悔しい思いは、必ずや次の戦いへと活かされる。チームの次戦は、6月7日に宮崎県宮崎市で開催される「全日本選手権タイムトライアル」。そして、6月28日には新潟県南魚沼市にて、国内最高峰の決戦である「全日本選手権ロードレース」が控えている。悲願である「ロード日本チャンピオンジャージ」を宇都宮へと持ち帰るべく、チーム一丸となってさらなる進化を遂げ、大舞台へと挑むブリッツェンの走りに、今後とも熱い応援をよろしくお願いいたします。
【レース後の岡のコメント】
レースは集団ゴールとなり、自分は9位という結果でした。今日のレースでは、チームメイトのみんなが本当に自分のために走ってくれて、それぞれができることをしっかりと全てやってくれました。自分は一時は優勝したルーカス選手の後ろの位置につけることができ、かなり良い形を作れていました。しかし、最後は周りを囲まれてしまう形になり、自分のスプリントを出し切ることができませんでした。チームが完璧に動いてくれただけに、本当に悔しい結果となりました。
この8日間のツアー・オブ・ジャパンを振り返りますと、一言で言えば、今年は本当に上手くいかないことの連続でした。正直なところ「惨敗」という結果であったと重く受け止めています。自分自身の走りは良くなく、厳しい戦いの中でも、谷選手が本当に素晴らしい走りを見せてくれて、総合順位でもしっかりと粘り強く頑張ってくれました。そういった部分では、チームとして収穫のあった大会だったと感じています。
この後は、いよいよ全日本選手権のタイムトライアル、そして全日本ロードレースと大事なレースが続いていきます。なかなか過密なスケジュールということもあり、自分自身も疲労が溜まっている部分はあるのですが、まずは体調を崩さないようにしっかりと管理していきたいです。そして、今回のツアー・オブ・ジャパンでの悔しさを一つのきっかけとして、次のレースに向けてまたコンディションをしっかりと上げていきたいと思います。8日間、たくさんの応援をいただき本当にありがとうございました。
▼第8ステージリザルト
1位 ルーカス・カールステンゼン(キナンレーシングチーム)2h11’49”
2位 アレクサンダー・サルビー(リーニン スター) +0’00”
3位 ティレン・フィンクスト(ソリューションテック NIPPO ラーリ) +0’00”
9位 岡篤志(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +0’00”
44位 武山晃輔(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +0’11”
45位 谷順成(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +0’17”
62位 増田成幸(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +0’28”
69位 フォン・チュンカイ(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +1’10”
70位 宮崎泰史(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +2’23”
▼第8ステージ終了後の個人総合リザルト
1位 マッテオ・ファップロ(ソリューションテック NIPPO ラーリ)15h39’24”
2位 カミール・ボヌー(ソリューションテック NIPPO ラーリ) +0’55”
3位 ベンジャミ・ブラデス・レヴェルテル(VC福岡) +0’57”
13位 谷順成(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +5’16”
32位 岡篤志(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +26’22”
41位 増田成幸(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +36’46”
45位 宮崎泰史(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +39’35”
63位 フォン・チュンカイ(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +1h03’11”
69位 武山晃輔(Astemo 宇都宮ブリッツェン) +1h11’55”
※全リザルトは下記URLをご参照ください。
https://www.toj.co.jp/2026/file_upload/100565/_main/100565_01.pdf
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