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2026/07/05 レース

【レポート】JBCF 第1回 大町温泉郷ロードレース

【レポート】JBCF 第1回 大町温泉郷ロードレース

 

▼開催日

2026年7月5日(日)

 

▼スタート&フィニッシュ

大町温泉郷観光協会前(長野県大町市平2809-8)

 

▼出場選手

谷順成、増田成幸、岡篤志、武山晃輔、菅野蒼羅、阿蘓来夢、秋元碧

 

▼競技概要

長野県大町市大町温泉郷 公道特設コース(左回り) 12.9km × 9周 総距離116.1km

出走:75名

スタート時間:11:40

 

▼レースレポート

Jプロツアーは前半戦の締めくくりとなる第9戦、大町温泉郷ロードレースを迎えた。今大会の舞台は、今回が初開催となる長野県大町市の公道特設コース。立山黒部アルペンルートの長野側の玄関口としても知られる大町温泉郷を発着とし、北アルプスの麓に広がる1周12.9kmのレイアウトが選手たちを待ち受ける。コースはスタート直後から高瀬川沿いを経てダム周辺へと上り、残り7km地点のピークに達した後はつづら折りの下りを経て、最終ストレートの緩やかな上りへと繋がるプロファイルとなっている。

 

今大会におけるAstemo宇都宮ブリッツェンのミッションは、現在個人ポイントランキングでトップに立つ岡篤志のリーダージャージを確実に守り抜くことはもとより、チームランキング1位のシーズン2連覇に向けた基盤を、さらに強固なものにすることだった。チームはポイントリーダーである岡を中心に据え、増田成幸や谷順成、武山晃輔の経験豊富なベテラン勢、そしてU23の若手選手たちである菅野蒼羅、阿蘓来夢、秋元碧をバランスよく配した布陣で挑んだ。

 

<レース前の岡のコメント>

「全日本選手権の翌週というタイミングでのレースとなりますが、この大町温泉郷ロードレースが終われば、次のレースまでまた2か月ほど期間が空くことになります。そのため、前半戦の締めくくりとして、今回はしっかりとここで良い走りをして終えたいと考えています。

事前の高低図を見た段階では、かなり上りのきついコースという印象を持っていましたが、実際に試走を行なってみたところ、思いのほか勾配も緩やかで道幅も広く確保されていました。当初の想定ほど過酷なコースレイアウトではないという印象を受けています。しかしながら、レース自体の難易度を厳しくしていくのは走る選手たち自身ですので、展開次第では非常に厳しいレースになるのではないかと想定しています。

現在、リーダージャージを着用して走らせていただいていますが、ランキング2位のヴィクトワール広島・孫崎選手とのポイント差がかなり近づいており、ジャージ争いは非常に激化しています。前回の石川ロードレースでは彼に負けてしまっているため、今回はその悔しさを晴らし、しっかりとポイント差を拡大できるよう、チーム一丸となって全力で頑張ります」

 

<レース前の鈴木監督のコメント>

「現在のチームのコンディションについてですが、全日本選手権が1週間前に終わって少し疲れている部分はあると思います。ただ、この後はレースがしばらく空くことになりますので、集中していければと思っております。

昨日、私自身も選手と一緒にコース試走を行いましたが、コースの印象としては、どちらかというと集団有利な展開にはなっていくと思います。下りが危険で、結構タイトなコーナーで中切れなどが起きたりすると思いますので、そこら辺を誘発するような動きができていくと、チーム的に有利な展開を作っていけると思っています。昨日、選手たちとも話し合って、どこで攻めるかというのはまとめてあります。

現在、チームランキング、個人ランキングともにブリッツェンが1位ですが、ヴィクトワール広島がかなりポイント差で迫ってきている状況です。岡選手の個人総合とチームランキングで、どちらに比重を置くかというのは、昨日少し話し合いました。比重をどちらに置くかについては、ここでは言えない状況ですけれど、一応どちらかに絞り出してはありますので、的を絞って戦っていきたいと思っています」

 

スタートライン最前列には、Jプロツアーランキングのトップ10に名を連ねる強豪たちが並んだ。その中には、現在ランキング9位につける谷、そして赤いリーダージャージを身にまとった岡の姿もあった。チームランキングトップを走るAstemo宇都宮ブリッツェンの名が会場に高らかにアナウンスされると、詰めかけたファンからの期待感は一気に最高潮へと達した。

 

レースが動き出したのは1周回目、コントロールラインまで残り8kmの地点だった。風間翔馬選手(シマノレーシング)が単独で集団から抜け出しを図る。メイン集団はこの動きを静観し、一時は容認したものの、ペースを保ったまま1周回目の残り1km地点で風間選手を確実に吸収した。しかし、集団がひとつになったのも束の間、すぐに新たなアタックが起こる。2周回目の上り区間に突入した局面で、森本凛太郎選手(ヴェロリアン松山)が鋭く飛び出す。この動きをきっかけに前線の活性化が進むと、3周回目にはAstemo宇都宮ブリッツェンから菅野と武山の2名が絶妙なタイミングで追従。最終的に、森本選手、菅野、武山に加え、犬伏輝斗選手(群馬マンモスレーシング)、白川幸希選手(ヴィクトワール広島)、サルマ寛大選手(レバンテフジ静岡)、玉城翔太選手(Team CyclersSNEL)、能登滉太選手(備後しまなみeNShare)、吉岡直哉選手(チームユーラシア - iRCタイヤ)の9名による先行グループが形成された。Astemo宇都宮ブリッツェンとしては、逃げ集団に2名を送り込めたことでレースを有利に進められる最高の展開となる。特に個人ランキング首位を争う岡と孫崎大樹選手(ヴィクトワール広島)のライバル関係を考慮した際、双方のチームが逃げにメンバーを乗せたため、メイン集団内では岡と孫崎選手がお互いを厳重に牽制し合えばよいという、チーム戦術における優位性を確立した。

 

3周回目を完了した時点で、前方の9名とメイン集団とのタイム差は1分15秒。4周回目には一度45秒差まで縮まったものの、集団内では「この逃げで勝負を決めたい」という各チームの思惑が強く働いたか、再びギャップが開き始める。5周回目で1分03秒、7周回目で1分40秒、残り1周を残す8周回目を完了する頃には、その差は2分40秒にまで拡大し、勝負の行方は完全に前方に絞られた。また6周回目には風間翔眞選手(シマノレーシング)が単独で追いつき逃げ集団は10名となった。

 

懸念された雨はレース中には降らず、アスファルトはドライのまま最終周回へ。先頭集団は6名となっており、そこから残り8.5kmの上り区間入口で菅野が渾身のアタックを仕掛ける。これはライバル勢の必死の追随により決定打には至らなかったが、若手の積極性が逃げを活性化させるには充分だった。残り7km、上りの最終局面で武山が一時的に遅れをとるものの、得意の下りテクニックを駆使して執念で前線へ復帰。しかし、前方の攻防は激しさを増し、集団は3名ずつに分断される。先行する風間選手、白川選手に菅野が食らいつき、3名での緊迫した先頭集団を形成して健闘を見せる。

 

残り3.5km地点で、菅野ら先頭の3名と、武山を含む追走の3名との差は10秒以上に広がったが、残り1.7kmで追走勢が追いつき、先頭は再び6名へと引き戻された。残り1.1km、勝機を狙った菅野が再び一撃を繰り出すも、ここは全員が繋がり不発に終わる。

 

残り500mからは互いの手の内を探り合う完全な牽制状態へと突入した。残り300m、緊迫を破って風間選手がスプリントを開始。武山は絶好のポジションである風間選手の番手を確保していた。しかし、その後方から伸びを見せた白川選手が武山をまくって2位へ浮上。武山は頭をグッと垂れ、渾身の力でペダルを踏み込んだものの、わずかに力及ばず3位でフィニッシュ。逃げに2名を送り込んでいただけに、チームとしては欲しかった「優勝」の二文字には届かなかったものの、武山が執念で最低限の目標である表彰台の一角を死守した。また、レースを通じて果敢に何度もアタックを仕掛け、見事な存在感を示した菅野は6位でフィニッシュし、その積極性を称えられ敢闘賞を獲得。上位にこれら2名がしっかりと食い込んだことで、チームランキングにおいては他チームに対してさらなる大きなアドバンテージを獲得することに成功した。

 

一方、後方のメイン集団によるスプリント勝負もまた、極めて重要な意味を持っていた。Jプロツアーの個人ポイントランキング1位を争う岡と孫崎選手による意地のぶつかり合いは、孫崎選手が10位、岡が11位という結果で幕を閉じた。今大会のグレードSILVERにおけるポイント配分は、10位が50pt、11位が40ptとなっている。ライバルに先着を許し、10ポイントを削られる形となった岡だが、この11位というリザルトには数字以上の決定的な意味がある。当初、スケジュールやコンディションの兼ね合いから岡はこのレースをスキップする可能性もあった。しかし、結果としてこの出場判断は大正解となった。もし仮に出場を見送っていれば、岡は今回のポイントを完全に失っていたことになる。その場合、孫崎選手との「個人ランキング140ポイント差」は、孫崎選手が優勝を逃したとしても5位以内に入りさえすれば容易にひっくり返される極めて危険な状況にあった。執念で11位に滑り込み、ポイント差の縮小を最小限の10ポイントに留めたことで、岡は見事にリーダージャージをキープして前半戦を終えることができた。

 

このレースを終えると、Jプロツアーは約2か月間という長い公式戦の休止期間に入る。ここまでの激戦で浮き彫りとなった個々の課題やチーム連携の修正すべき点は、この十分な期間を活かして徹底的にブラッシュアップしていくことができる。シーズン後半戦、チームランキング2連覇、個人ランキング優勝奪取に向けて、Astemo宇都宮ブリッツェンはさらなる結束と進化を遂げるための、実りある充電期間へと入る。

レース後の武山のコメント

チームの作戦の中のプランにもあった通り、菅野選手ともう一人誰か…、例えば谷さんだったりというのがイメージの中にあったのですが、6人ほど飛び出したところに「もう自分も行くしかないぞ」という形で、序盤から逃げにチャレンジしました。

中盤までは、集団に吸収されてからもう一回展開が動くかなと思っていたところが、最終的には逃げ切りのタイム差で、最終盤は6名という形になりました。一時は遅れてしまったりとか、すごく苦しいレースにはなったのですが、最低限、表彰台というところは抑えられたので、いくらかはうまくまとめられたかなという感想です。

本当であれば優勝できたら良かったのですが、どちらかが確実に1位プラス、上位に少しでも送り込むという意気込みだったので、3位に沈んでしまったのはすごく悔しさの残る内容ではありました。ですが、ひとまず最低限のミッションは達成したかと。チーム総合の得点ジャンプアップというところもあったので、最低限のノルマはクリアできたかなというところです。

少しここまでのレースというのが、自分としてはうまく運べていないところが多くあったので、後半戦に向けて少しポジティブに、プラスに捉えられる要素だったのかなというところと、次の後半戦に関しては、ここをもう1段階、2段階、高いレベルでレースをこなしていけるように、2か月ほど中間のオフに入りますけれど、しっかり準備して後半戦に「やってやるぞ」という思いで今はいっぱいです。

 

レース後の菅野のコメント

今日のレースは6位という結果、そして敢闘賞の獲得、Jプロツアーでは初めて6位に入ったことについてですが、今日のレースはもう前半から、自分の足を信じて積極的に行くって決めていたので、しっかり色々な選手のアタックに反応して、前に行くことができました。結果的に勝ち逃げにも乗ることができて、しっかりその逃げが決まり「この逃げ集団で勝負だな」となってからも、自分が優勝することだけを考えて、武山選手と一緒に色々と考えながら走りました。

最後、上りなどでは自分から積極的に行けたのですけれど、自分の脚が足りず6位という結果で、悔しい思いはあります。ただ、そのアタックなどを見てくださった方から敢闘賞をいただくことができ、その点に関してはちょっと嬉しい気持ちもあります。

▼リザルト

1位 風間翔眞(シマノレーシング)2h59’54”

2位 白川幸希(ヴィクトワール広島) +0’00”

3位 武山晃輔(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’00”

 

6位 菅野蒼羅(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’03”

11位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) +1’15”

24位 谷順成(Astemo宇都宮ブリッツェン) +1’27”

31位 増田成幸(Astemo宇都宮ブリッツェン) +2’06”

39位 阿蘓来夢(Astemo宇都宮ブリッツェン) +3’34”

44位 秋元碧(Astemo宇都宮ブリッツェン) +3’51”

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://bizwonder.jp/jbcf/pdf/viewer.php?path=2026/05/%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%83%AB%E3%83%88_0705_JPT.pdf