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2026/05/08 レース

【レポート】ツール・ド・熊野 第2ステージ 古座川清流周回コース(UCIアジアツアー2.2)

【レポート】ツール・ド・熊野 第2ステージ 古座川清流周回コース(UCIアジアツアー2.2)

 

▼開催日

2026年5月8日(金)

 

▼スタート&フィニッシュ

蔵土多目的広場(和歌山県東牟婁郡古座川町蔵土60)

 

▼出場選手

谷 順成

増田成幸

沢田 時

岡 篤志

武山晃輔

宮崎泰史

 

▼競技概要

古座川清流周回コース パレード1.3km + 41.5km + 42.6km × 2周 総距離126.7km

出走:91名

スタート時間:9:30

 

UCIアジアツアーの一戦として、熱戦が続く第26回ツール・ド・熊野 。第2ステージの舞台は、和歌山県古座川町が誇る清流と奇岩の絶景を巡る「古座川清流周回コース」だ 。本コースは、国の天然記念物「一枚岩」を筆頭に圧巻の景観を誇る一方で、選手たちには極めてタフな対応を強いる。広々とした県道から一転、山岳地帯では道幅が極端に狭まり、テクニカルな起伏が連続。勝負どころとなる「平井峠」を含む山岳区間や、ハイスピードで突入するスプリントポイントなど、一瞬の隙も許されない難所が組み込まれている 。技術、スタミナ、そしてチーム戦略のすべてが試されるサバイバルな126.7kmとなるだろう 。

 

Astemo宇都宮ブリッツェンは、6名全員が揃ってこの第2ステージを迎えた。現在、岡 篤志がトップと27秒差の個人総合6位という好位置につけており、逆転での総合優勝を十分に射程圏内に捉えている。今日のミッションは明確だ。強力な結束力をもってレースを支配し、チーム一丸となって岡を前へと送り出すこと。キャプテンの谷 順成、ベテラン増田 成幸を中心に、
沢田 時、武山 晃輔、宮崎 泰史がそれぞれの役割を完遂し、ライバル勢とのタイム差を削り取りにいく。

 

<レース前の沢田のコメント>

「会場に来るまでは雨が降っていて少し嫌だなと思っていましたが、到着してちょうど止んだので良かったです。今日の古座川清流ステージは非常にテクニカルなコースですし、路面も少しウェットな状態ですので、とにかく落車が起きやすいステージだと感じています。まずはチームの誰も転ばずに、全員が無事にゴールまで辿り着くことが第一ですが、その中でしっかりタイム差を失わないように走っていきたいです。ゴール前こそ平坦ですが、何が起きてもおかしくないコースです。集団が大人数のまま進むことはないのではないかと予想しており、かなり絞られた集団になるはずです。昨年同様、抜け出しの展開も十分にあり得ますので、最後まで集中して戦いたいと思います」

 

<レース前の宮崎のコメント>

「コンディションは上々です。昨日の第1ステージで総合で一人飛び抜けた選手が出たこともあり、今日はどのチームも積極的に行きたいと考えているはずです。コースの特性上、レースが荒れる可能性も十分にあります。このステージでの勝利はもちろん、総合順位のジャンプアップもどちらも狙えるコースだと思っているので、精一杯頑張ります」

 

心配されていた雨も止み、雲の間からは明るい日差しも見え始めた。しかし、路面は依然として濡れたウェットコンディション 。滑りやすい路面状況に、スタートラインに並ぶ91名の選手たちの間にはナーバスな緊張感が漂いつつ、レースが始まった 。

 

スタート直後から激しいアタック合戦が40km以上にわたって繰り広げられたが、ついに4名のエスケープグループが形成される。メンバーは沢田、中村 圭佑選手(ヴィクトワール広島)、林原 聖選手(シマノレーシング)、山本 元喜選手(KINAN Racing Team)だ 。沢田がこの逃げに入ったことで、メイン集団に残るAstemo宇都宮ブリッツェンのメンバーは、体力を温存しながら終盤の勝負に備える有利な展開に持ち込んだ。

沢田を含む逃げ集団が吸収された後も、レースは落ち着くことなくアタックの応酬が続く。今度は武山が積極的に動き、何度も逃げに乗る姿勢を見せて集団を揺さぶり続けた。

 

残り89km地点に設定されたスプリントポイントでは、岡が3位争いに加わる。結果は惜しくも4位となったが、3位との差は1秒を切る極めて僅かなものだった。

 

レースが後半に入った残り56km地点、宮崎が集団からの抜け出しに成功する。これに他チームの2名が合流して3名の逃げとなり、最終的には残り29kmで宮崎とエリオット・シュルツ選手(ヴィクトワール広島)の2名に絞られた 。強力な逃げを見せた2名だったが、残り18kmでメイン集団に捕らえられる。

 

宮崎が吸収された直後、今度は武山がカウンター気味に飛び出した。ルーク・バーンズ選手(ヴィクトワール広島)を伴った2名の逃げは、残り4km時点で後続の集団に対し50秒のタイム差を築き上げた 。武山に勝機の期待が高まったが、ここまでチームのために献身的な動きを続けてきた影響か、最後の上り区間で惜しくもドロップ。レースはバーンズ選手がそのまま逃げ切り、ステージ優勝を飾った。

 

エースの岡は、後続の集団スプリントで上位を狙った。しかし、ゴール直前で前を走る選手のチェーンが外れるトラブルが発生。回避するためにブレーキを余儀なくされ、スプリントに加わることができないままステージ9位でフィニッシュした。

 

今日のAstemo宇都宮ブリッツェンは、常に逃げ集団へ選手を送り込み、終盤まで岡の脚を温存して勝負に挑むという理想的な形を作り上げた。結果こそ、ほんのわずかなピースのズレで勝利には届かなかったものの、チームとしての機能美が光る素晴らしい内容だったと言える。チームの仕上がりは確実に向上している。今日のステージで34名もの選手がフィニッシュできなかったが、Astemo宇都宮ブリッツェンは全員が残った。現在総合1位のニルス・シンシェク選手が所属するリーニン・スターは3名しか残っていないのを見ると、このレースの厳しさがうかがえる。明日、三重県熊野市で開催される今大会のクイーンステージ「熊野山岳コース」での逆転劇に期待したい。

レース後の岡のコメント】

今日は本当に激しい展開になりましたが、その中から宮崎選手が逃げに乗ってくれて、本当に素晴らしい走りでした。その間に他チームも疲弊し、かなり集団が絞られた絶好のタイミングで、ルーク・バーンズ選手(ヴィクトワール広島)と武山選手が飛び出しました。結果的にバーンズ選手が逃げ切る形となりましたが、武山選手はドロップして集団に飲み込まれてしまいました。自分は集団で脚を溜めることができていたのですが、結果的にスプリントに絡むことができず、悔しい一日になりました。

最初のスプリントポイントに関しても、3名の逃げ切りを許してしまい、自分は集団からスプリントをかけましたが、本当に数センチの差で3位の選手をまくることができず、もがきき損の形での4位通過となりました。最後のゴールスプリントでも、目の前の選手がチェーンを外してしまうトラブルがあり、そこで完全にストップしてしまったため、スプリントすることすらできませんでした。コンディション自体は他のライバル選手に比べてもフレッシュな状態だったのではないかと思いますが、ボーナスタイムもゴールのボーナスも何も獲得できなかったのは非常に残念です。

総合順位では2人の選手が抜け出してしまい、優勝を狙うにはかなり難しい展開にはなっていますが、明日はついにクイーンステージです。まずはしっかり生き残り、その中で勝ち筋を見つけられるように頑張りたいと思います。

▼第2ステージのリザルト

1位 ルーク・バーンズ(ヴィクトワール広島) 2h54'23"

2位 窪木一茂(TEAM UKYO) +0'19"

3位 ルーカス・カールステンゼン(KINAN Racing Team) +0'19"

 

9位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0'19"

33位 谷順成(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0'19"

35位 沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0'19"

40位 宮崎泰史(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0'19"

44位 武山晃輔(Astemo宇都宮ブリッツェン) +1'19"

52位 増田成幸(Astemo宇都宮ブリッツェン) +2'06"

 

▼第2ステージ終了後の総合リザルト

1位 ニルス・シンシェク(LI NING STAR) 5h46'28"

2位 ルーク・バーンズ(ヴィクトワール広島) +0'05"

3位 キャメロン・スコット(LI NING STAR) +0'22"

 

9位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0'27"

23位 宮崎泰史(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0'33"

34位 谷順成(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0'34"

36位 沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0'34"

43位 武山晃輔(Astemo宇都宮ブリッツェン) +1'34"

52位 増田成幸(Astemo宇都宮ブリッツェン) +3'36"

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://www.tourdekumano.jp/wp/wp-content/uploads/2026/05/Kumano-C04.pdf