【レポート】第29回全日本選手権個人タイムトライアル・ロードレース大会 男子U23・男子エリート
▼開催日
2026年6月6日(土)
▼スタート&フィニッシュ
一ッ葉有料道路内(宮崎県宮崎市)
▼出場選手
【男子U23】
菅野蒼羅、秋元碧
【男子エリート】
岡篤志、宮崎泰史
▼競技概要
一ッ葉有料道路内 特設コース
【男子U23】
14.2km×2周 実測距離27.8km スタート時間:8:30 出走:25名
【男子エリート】
14.2km×3周 実測距離42.0km スタート時間:10:20 出走:26名
▼レースレポート
宮崎県宮崎市の一ッ葉有料道路特設コースを舞台に、「第29回全日本選手権個人タイムトライアル・ロードレース大会」が開催された。Astemo宇都宮ブリッツェンからは男子U23に菅野蒼羅、秋元碧、男子エリートに岡篤志、宮崎泰史の計4選手が挑んだ。
岡と宮崎は、今シーズンの「おんたけタイムトライアル」において、宮崎が2位、岡が3位と揃って表彰台を獲得。これまでの全日本選手権タイムトライアル上位でフィニッシュした実績を持つ、国内屈指のTT実力者だ。
チームはレース前夜にミーティングを実施。JCFから発表されたスタート順やタイムスケジュール、バイクチェックなど、当日のオペレーションを入念に確認した。個人で走るタイムトライアルではあるものの、チームとして気持ちをひとつにして決戦の朝を迎えた。
大会当日、スタート/フィニッシュ地点近くのチームピットエリアとなる「サンビーチ一ツ葉駐車場」に到着したチームは、早々に準備を開始。今大会は初開催の特設コースであり、有料道路を使用する特性上、選手たちは当日までコース試走を行うことができなかった。
天候は曇り、徐々に風が強くなるナーバスなコンディションの中、限られた試走時間で路面状況やコーナー、風向きなどを細かく確認。1周14.2kmの長く突き抜けた完全なフラットレイアウトを分析し、それぞれが緻密なレースプランを組み立てて本番へと向かった。
<レース前の菅野のコメント>
「全日本選手権のタイムトライアルに向けて、しっかりとTTの練習を積み重ねてきました。そのため、コンディションはとても良いと感じています。コースについては、平坦なレイアウトですので、目標の平均速度としては時速47kmを目指して頑張りたいと考えています。アンダー23としては最後のシーズンとなります。昨年はロードレースの方で落車してしまい、このタイムトライアルに出場することができなかったので、今年は、その悔しさをぶつけたいと思っています。しっかりと上位に入ってUCIポイントを獲得し、チームに貢献できる走りをしたいです。全力で頑張ります」
<レース前の秋元のコメント>
「アンダー23の1年目として、初めて全日本選手権のタイムトライアルに挑みます。そのため少し緊張している部分もありますが、1年目だからこそ失うものは何もないと思っています。全力で戦っていきたいです。タイムについては、まだ実際に走ってみないと分からない部分がありますが、リザルトとしては、まずはしっかりとトップ10に入りたいと考えています。そこで良い流れを作り、月末に控えているロードレースにも良い形で繋げられるように頑張ります」
<レース前の宮崎のコメント>
「ツアー・オブ・ジャパンの疲れが多少残っているかなという感じはあるのですが、この1週間でかなり休むことができました。良いコンディションになっていると期待しています。目標とする順位については、確実に表彰台に乗れるように。全力を尽くして頑張ります」
<レース前の岡のコメント>
「自分も同じくTOJ明けではありますが、休養に充てたことで思ったよりも体が回復しています。昨年は5位という結果でしたが、今年はそれよりも良い順位を目指して全力を尽くします」
午前8時30分、まずは男子U23カテゴリーから競技開始。
第2ウェーブの4番目にスタートしたU23・1年目の秋元は、学生界の有力選手たちがひしめく中、トップ10を見据えた走りで最後までまとめ上げ、33分45秒75(平均時速49.4km)の8位でゴールを駆け抜けた。
そして、U23最終シーズンを迎えた菅野は、同じく第2ウェーブの7番目に出走。実力者が数珠繋ぎとなる最激戦区の中で、目標の平均時速47kmという限界領域の走りに挑んだ。菅野は1周目をアベレージ時速48km前後という非常に良いペースで滑り出す。しかし2周目に入ると、徐々に厳しさを増した暑さの影響もあり失速。それでも最後まで粘りきり、33分41秒74(平均時速49.5km)で7位に食い込んだ。
U23の両名ともに目標のトップ10入りを果たしたものの、表彰台の壁は厚く、悔しさの残る結果となった。
続いて午前10時20分からは、国内最高峰のスピードコントローラーたちが集結する男子エリートがスタート。1分30秒間隔で選手が飛び出していく中、第2ウェーブにAstemo宇都宮ブリッツェンの2名が登場した。
第2ウェーブの4番目で発進した宮崎は、自らのペースを極限まで研ぎ澄ませて突き進んだ。直前のツアー・オブ・ジャパンの疲労が残る中、前半から襲いかかる暑さに耐え忍び「我慢」の走りを続けた宮崎だったが、最終周回で惜しくもペースダウン。トップから38秒39差の49分06秒50(平均時速51.3km)で4位となり、惜しくも表彰台を逃した。しかし、宮崎に立ち止まっている時間はない。明日開催される全日本選手権チームタイムトライアルへと気持ちを切り替えた。
そして、チームの絶対的な大柱である岡は、全体の行方を決定づける最終盤の第2ウェーブ・7番目に配置された。岡の周辺は、昨年の表彰台メンバーや、最終走者として登場するディフェンディングチャンピオンの今村駿介選手(Lotto-Groupe Wanty)など、まさに「実質的な優勝決定戦」と言える顔ぶれとなった。強敵たちが叩き出す秒単位の記録を破るべく、岡はすべてを懸けてペダルを踏み込んだ。
「ノーストレスで走れる素晴らしいコース」と岡が称賛するフラットなレイアウトの中、持てるパワーを解き放った。しかし、レース後は「思い描いた走りとはほど遠く惨敗」と振り返るほど、苦しい展開を強いられた。それでもエースとしての意地を見せ、50分11秒25(平均時速50.2km)のタイムで踏みとどまり、トップ10圏内の8位でフィニッシュ。優勝した今村選手の圧倒的な2連覇の走りを称えつつも、自身の不完全燃焼な結果に悔しさをにじませた。
前日に飛行機で宮崎入りしたばかりの岡だが、明日6月7日に福島県で開催される「石川ロードレース」に出場するため、すぐさま宇都宮へととんぼ返りする強行軍。このハードスケジュールの中でも、彼の視線はすでに前を向いている。タイムトライアルでの悔しさをエネルギーに変え、明日の石川ロードでの勝利、戦いの舞台は違えど同じく明日チームTTに挑む仲間たちへのエール、そして今月末に控える全日本選手権ロードレースでの大きなリベンジに向けて、闘志を燃やす。
一方、宮崎に残るチームは、明日の一戦に向けて結束を強めている。メンバーは居残る宮崎に加え、U23を走った菅野と秋元、そして阿蘇来夢の4名。個人TTでの悔しさをチームの絆に変え、上位を目指す。
過去、タイムトライアルのナショナルチャンピオンジャージを幾度も宇都宮へ持ち帰っているAstemo宇都宮ブリッツェン。しかし、ロードレースでのタイトル獲得はまだ成し遂げていない。まずは明日のチームTTと石川ロード、そして今月末に控える大一番で「ロードレースのチャンピオンジャージ」を勝ち取り、宇都宮へ初の栄冠を持ち帰るという大きな野望に向け、チームはまた新たな一歩を刻んだ。
【レース後の菅野のコメント】
目標としてはしっかり3位以内に入って表彰台、というところだったんですが、7位という結果で個人としてはちょっと悔しい結果になりました。ただ、全力を尽くすことはしっかりできたので、そこに関しては悔いはないです。調子の良さはしっかり確認でき、次は全日本ロードがあるので、そこではしっかり優勝してチャンピオンジャージを獲得したいと思っています。
【レース後の秋元のコメント】
自分の中ではペース配分が上手くいってゴールできて、8位という結果でした。そんなに満足できる結果ではないんですけれど、自分の中では全力を尽くせたのかなと思います。まずはU231年目ということもあってトップ10を意識していったので、そこの第一目標としてはしっかりクリアできました。ただ、U23の1年目の選手は他にも上位にたくさんいるので、まだまだここで満足せずに、もっともっと練習を積んで、まずは明日のチームタイムトライアル、そして全日本ロードに向けてもう一回しっかり頑張っていきたいです。
【レース後の宮崎のコメント】
暑さもあって、なんとも言えない感じで『我慢、我慢、我慢』だったんですけど、最後の1周は少し減速してしまいました。正直、表彰台は乗りたかったのですが、最低限のUCIポイントは、多くはないですが取れたので、次はロードで挽回できるように頑張りたいです。TOJのあとは回復優先で休んだんですけど、本当のフレッシュさというのは戻ってきていませんでした。でも、このレースを機に刺激も入ったと思うので、次の全日本ロードに向けて頑張ります。優勝した今村選手は、平坦系の選手ということもありますし、パワーも出ている。こういうド平坦のTTは、もっと僕もパワフルに、もっと空力だったり機材とかも工夫しなければいけないと思いました。
▼リザルト
【男子U23】
1位 山里一心(シマノレーシング) 32'57"32
2位 大室佑(群馬マンモスレーシング) +0'10"60
3位 新藤大翔(HPCJC-BRIDESTONE ANCHOR) +0'13"56
7位 菅野蒼羅(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0'44"42
8位 秋元碧(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0'48"43
【男子エリート】
1位 今村駿介(Lotto Groupe-Wanty) 48'28"11
2位 橋川丈(KINAN Racing Team) +0'20"26
3位 山本大喜(VC FUKUOKA) +0'32"11
4位 宮崎泰史(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0'38"39
8位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) +1'43"14
※全リザルトは下記URLをご参照ください。
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