【レポート】TOUR de KUMANO 第4ステージ 太地半島周回コース(UCIアジアツアー2.2)
▼開催日
2025年5月11日(日)
▼スタート&フィニッシュ
くじら浜公園
▼出場選手
谷 順成
沢田 時
岡 篤志
ルーベン・アコスタ
武山晃輔
▼競技概要
距離:パレード0.7km+9.8km+10.5×9laps=104.3km
出走:81名
スタート時間:10:00
▼レースレポート
最終日、第4ステージは起伏に富み、急な下りやヘアピンカーブなどテクニカルな場面も多い太地半島を周回するコース設定だ。周回数もパレード含めて約10周と多く、選手たちには脚力はもちろん集中力も試される。
宇都宮ブリッツェンは岡篤志が総合3位を守っているが、総合4位のベンジャミ・プラデス選手(VC福岡)とのタイム差はわずか4秒。その後ろもタイム差8秒以内に7名がひしめきあうため、岡はボーナスタイムで少しでもアドバンテージを得たいところだ。
<レース前の鈴木監督のコメント>
みんなまとまっている感じで一つの目標に向けて頑張れそう。まずは表彰台に上ることを守っていきたい。第1目標は総合(順位)なので、総合を守りつつステージ優勝もついてくればいい。
<レース前の岡のコメント>
今大会いい走りはできているが、ステージ優勝には届かなかったりもう一歩だったが、今日は最後なのでしっかり悔いが残らないように頑張りたい。(タイムは)トップ2が抜け出してしまって自分が総合3位。4、5、6位辺りまで僅差で逆転されてしまう可能性もあるので注意しながら走っていく。
天気に恵まれた絶好のレース日和。最後の戦いが始まるとアクチュアルスタート直後に抜け出す選手が現れるが、今日は簡単に逃げられるわけがない。宇都宮ブリッツェンは岡が自ら積極的に前に出て、やはり前方でチャンスをうかがうプラデス選手などを見逃さない。
序盤から激しく動く集団だが、1周回目を終えた時点でトップ通過は今村駿介選手(ワンティ・NIPPO・リユーズ)、2位に岡、3位に武山晃輔と宇都宮ブリッツェンが続く。沢田時らもすぐ後ろに着いている。
逃げも決まらぬまま最初のスプリントポイントが近づくと、総合2位のマティアス・ブレグノイ選手を抱えるトレンガヌ・サイクリングチームが隊列を組んでボーナスタイム獲得に動き出す。しかし、2周回目終了時点のスプリントポイントをトップ通過したのは左手から冷静にまくってきた岡だ。ここでボーナスタイム3秒を獲得した。
それからまもなく総合争いに影響がない4選手が抜け出しに成功。好調の今村選手のほか、トマ・ルバ選手(キナンレーシングチーム)、レオネル・キンテロ選手(ヴィクトワール広島)、入部正太朗選手(シマノレーシング)だ。3周回目を終えて21秒までタイム差を広げる。
総合リーダーのマーク・スチュワート選手を擁するソリューション・テック・ヴィーニ・ファンティーニがメイン集団のコントロールを始めると、山岳賞ジャージを着るニコロ・ガリッポ選手(JCL チーム右京)が単独で先頭4名を追走して合流に成功。5名による旅が始まった。4周回を終え、後続とのタイム差は55秒まで広げる。集団でブリッツェンメンバーは7位〜16位通過に5名が収まり、前方でレースを続ける。
6周回目終了時に設けられた2回目のスプリントポイントは、5名の逃げ集団からキンテロ選手がトップ通過。後続は32秒差までタイム差を詰めてきた。メイン集団前方では、沢田が他チーム選手とローテーションを組んで積極的に牽引をする。前日の夜、沢田は自身のSNSに「先頭集団で単騎になりながら総合3位を死守してくれた篤志のために後1日出し尽くして宇都宮に帰りたい」と記していた。その言葉通りに脚を回し続ける。
逃げ続ける5名はファイナルラップ目前で分裂。先頭はガリッポ選手、今村選手、ルバ選手に絞られてファイナルラップに突入した。ペースアップしていたメイン集団は17秒差まで迫ってきた。ガリッポ選手が最後の一人まで踏ん張ったが、逃げ切り叶わず吸収された。
一つになった集団はフィニッシュに向けて熾烈なアタック合戦だ。最終ストレートで海外勢が底力を見せつけ、プレイベント「和歌山城クリテリウム」と第1ステージを制したラヨヴィッチ・ドゥシャン選手(ソリューション・テック・ヴィーニ・ファンティーニ)が3勝目を飾った。岡は1秒遅れの9位(国内選手では2番手)でフィニッシュした。
個人総合優勝はスチュワート選手。岡も個人総合3位で表彰台へ。表彰式後は、選手と観客たちが繋がる熊野の恒例行事「餅まき」で笑顔を見せた。
【レース後の岡のコメント】
今日はハードな展開になり、危ない逃げも入ってしまった。そのなかでチームメイトみんながサポートしてくれて、集団を引いてくれて自分も総合3位を守ることができた。みんなのおかげ。(昨年、一昨年と個人総合優勝しているため)総合優勝を狙って走ったためパーフェクトな結果ではなかったが、自分より強い選手が2人いたということで、ベストを尽くした結果。次はツアー・オブ・ジャパン(TOJ)。自分の好きなレースなので、ステージ優勝などできるように頑張りたい。
【レース後の鈴木監督のコメント】
まずは目標としていた表彰台をゲットできて、守れて良かった。(中盤で逃げが決まり)5人行かれてしなったときはちょっと失敗したなと思ったが、かろうじてリーダーチームとブリッツェンで回すことができた。予定通りに沢田選手が1人目としてしっかり(ローテーションを)回ってくれて、次は武山選手と作戦が決まっていたが、最終的にラスト1周まで武山選手を使わないで行けた。あとは(逃げを)潰しながら集団スプリントをするのがセオリーだったので予定通りだった。この勢いでTOJではどういうふうに進めていけるか作戦を練っていきたい。
▼第4ステージリザルト
1位 ラヨヴィッチ・ドゥシャン(ソリューション・テック・ヴィーニ・ファンティーニ)2h28’12”
2位 キム・ユロ(LXサイクリングチーム)+0’00”
3位 スチュワート・マーク(ソリューション・テック・ヴィーニ・ファンティーニ)+0’00”
9位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)+0’00”
25位 沢田時(宇都宮ブリッツェン)+0’00”
29位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン)+0’17”
43位 谷順成(宇都宮ブリッツェン)+4’06”
45位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン)+4’06”
▼第4ステージ終了後の総合リザルト
1位 マーク・スチュワート(ソリューション・テック・ヴィーニ・ファンティーニ) 11h06’20”
2位 マティアス・ブレグノイ(トレンガヌ・サイクリングチーム)+0’08”
3位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)+0’48”
25位 谷順成(宇都宮ブリッツェン)+7’09”
26位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン)+7’09”
29位 沢田時(宇都宮ブリッツェン)+9’35”
35位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン)+9’58”
※全リザルトは下記URLをご参照ください。
https://drive.google.com/file/d/16MbI4vR0EdX7oZDj8j9aiVduzI-IEKTY/view?usp=share_link
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