【レポート】マイナビ ツール・ド・九州 第2ステージ(UCI2-1)
▼開催日
2025年10月13日(月・祝)
▼スタート
延岡市役所(宮崎県延岡市東本小路2-1)
▼フィニッシュ
さいき城山桜ホール(大分県佐伯市大手町2-2-28)
▼出場選手
沢田 時
ルーベン・アコスタ
武山晃輔
花田聖誠
▼競技概要
延岡市 → 佐伯市 95.57km+11.84km × 2周回=総距離119.25㎞
出走:88名
スタート時間:9:00
▼レースレポート
3日間の日程のツール・ド・九州は最終ステージへ。宮崎県の延岡市をスタートし、海岸沿いを北上して大分県の佐伯市にフィニッシュする。大会初の2県をまたぐステージで、宮崎県では初開催となった。日本三大リアス海岸の豊後水道に臨むコースは、ブラインドカーブとトンネルが連続し、ステージ優勝を狙う選手にとっては逃げを打って有利に進めたいところだ。
宇都宮ブリッツェンは岡篤志と谷順成の2大エースを欠く大会となったが、出場した沢田時、ルーベン・アコス、 武山晃輔、花田聖誠の4名は無事に最終ステージを迎えることができた。
<レース前の沢田のコメント>
「佐世保クリテも含めて4日目となり、さすがに疲れているというのが正直なところ。ただ、みんな条件は同じだし、最終日なので出し切っていきたい。個人総合の順位を上げるのはなかなか厳しいが、自分たちでしっかりレースに加わっていきたいと話をしている。具体的に言うと逃げに挑戦したい。逃げが得意な選手が揃っているので、代わる代わる仕掛けていきたいと思う。ちょうど1週間前に試走をしたが、海沿い、そしてアップダウンのあるコースで、風の影響もあるのではないか。上りは昨日ほどではないが、ペースが上がって上りに入ると厳しいものになるかと思う。武山選手中心に位置取りもしっかりしていかなければならない」
今日もスタート地点は9時の時点で26度。日中は30度を超える真夏日になるという予報で、スタート前から背中に氷を仕込む選手も見られた。今日の最終ステージは、いろいろな思惑が絡み合う。まずは最終日ということで、みんな翌日のことを考えずに脚を使い切ることができるため、より大胆な仕掛けができることがレースをより複雑にする。そしてフィニッシュは集団スプリントになると予想されるため、総合上位3位は確定だろうが、途中3か所ある中間スプリントポイントでタイムボーナスを狙って少しでも順位を上げたいという動きも出てくる。それはUCIポイント争いにも言えることで、総合25位までにUCIポイントが与えられるレースのため、25位前後の選手はUCIポイント圏内に入ることが目標となるし、順位によってポイントの配点も変わってくるので、少しでも上の順位がほしい選手も出てくる。あとはそこへ、最後にステージ優勝を取りたいチームの動きも絡む。
多くの思惑が絡み合うことを具現化するかのように、レースは終始落ち着かなかった。スタートからアタック合戦が始まると、集団は常に一列棒状。アタックが生まれ、それを捕まえ、少し落ち着いたかと思うと、またアタックが生まれて、それを追う…。まさにゴム紐のような形状の集団が、50km近く続いた。
その50km近く続いたアタック合戦を落ち着かせたのは4名の逃げだったが、残り48km地点でシャッフルされて14名の逃げとなり、そこに総合2位のレイン・タラマエ選手(キナンレーシングチーム)、総合3位のニコロ・ガリッボ選手(TEAM UKYO)が入ったのが運の尽き。リーダーのキリロ・ツァレンコ選手がいるソリューションテック・ヴィーニファンティーニが集団をコントロールし、残り35kmで14名を捕まえた。その後もタラマエ選手はアタックを試みるが、それは決して許されなかった。
こうして58名の大集団で振り出しに戻り、宇都宮ブリッツェンは4名全員がそこに入った。88名でスタートして、30名が遅れた計算となるが、4名とも残れていれば何か爪痕を残すべく、残り15km地点で武山が単独アタック。しかし、同調する選手が出てこず、ほどなく集団に戻ったが、実況は「昨日のベストジャパニーズライダーの武山がいった!」と大いに盛り上がった。
最終局面には1名の飛び出しもあったが残り500mで集団に飲み込まれ、ヘノック・ムルブラン選手(XDS・アスタナ チーム)がスプリント勝利。宇都宮ブリッツェンは沢田とアコスタがトップとタイム差なしで36位と44位だった。そして4名全員がフィニッシュラインを越えることができた。92名でスタートした大会だったが、完走は77名だった。
大会前、チームとしては完走すら危ういという思いもよぎったが、監督の鈴木は「チームとして日に日に良くなり、この状態にもかかわらず、第2ステージで沢田選手と武山選手が集団に残って勝負に絡め、今後、体調が悪い選手が出てきてもやれることの確認ができた」とチームを評価。チームとしては今週末、ホストチームとして迎える宇都宮ジャパンカップが控えている。それに向けて万全の体制を整えていきたい。
最後に、この素晴らしい国際レースを実現していただいた関係者の皆様、地域の皆様に感謝申し上げたい。ありがとうございました。
【レース後の鈴木監督のコメント】
チームとして、やれることを1日1日やっていき、徐々に良くなっていったと思う。この大会のスタート地点に立つまでに、風邪を引いてしまう選手を増やしてしまい、エース2人が欠ける中での4人での出走だった。4人の中にも体調が悪い選手が何人かいて、それでも第2ステージで武山選手と沢田選手が先頭集団に残って勝負できたというのは、チームとして、今後体調が悪い選手が出てきてもやれることがあると確認できた。今回はその点が良かったのではないかと思う。今週末の宇都宮ジャパンカップはみんなしっかり体調を戻し、熱い走りができるように頑張りたい。応援よろしくお願いします。
▼第3ステージリザルト
1位 ヘノック・ムルブラン(XDS・アスタナ チーム) 2h36’06”
2位 ドリース・デポーテル(アンテルマルシェ・ワンティ) +0’00”
3位 ジョフレ・スープ(トタルエネルジー) +0’00”
36位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0’00”
44位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0’00”
53位 花田聖誠(宇都宮ブリッツェン) +1’48”
55位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +2’30”
▼大会総合リザルト
1位 キリロ・ツァレンコ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) 8h01’15”
2位 レイン・タラマエ(キナンレーシングチーム) +0’04”
3位 ニコロ・ガリッボ(TEAM UKYO) +0’49”
28位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +5’23”
42位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +10’31”
55位 花田聖誠(宇都宮ブリッツェン) +20’46”
71位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +28’25”
※全リザルトは下記URLをご参照ください。(速報値)
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