【レポート】SUBARU LAYBACK presents 2025宇都宮ジャパンカップクリテリウム
▼開催日
2025年10月18日(土)
▼会場
栃木県宇都宮市大通り周回コース(1周2.25km)
▼出場選手
谷 順成
フォン・チュンカイ
沢田 時
岡 篤志
ルーベン・アコスタ
武山晃輔
▼競技概要
宇都宮市大通り周回コース(1周2.25km)×15周=総距離33.75㎞
※レース前にパレード2周を実施
出走:117名
スタート時間:15:40
▼レースレポート
今年も宇都宮市の大通りを激走する宇都宮ジャパンカップクリテリウムが開催された。前日にチーム名称を「Astemo宇都宮ブリッツェン」に変更して初めて挑むレース、大観衆を前に赤い稲妻ライダー6名がペダルを踏んだ。
前日のチームプレゼンテーションで鈴木真理監督は「地元でいい走りをしたい。チーム力を上げて準備してきた」と初の大舞台に意気込みを見せ、続いた岡篤志も「チームとして一番大事なレース。なんとしてもいい走りをしたい」と語った。
チームからは小野寺玲の引退、ルーベン・アコスタと花⽥聖誠の退団も発表されている。長年ブリッツェンのムードメーカーとして「オノデライダー」の愛称で親しまれた小野寺だが、難病に苦しみ、昨年チームに復帰したものの引退を決意した。アコスタと花田は2シーズンを一緒に戦った。外国人選手としてチームに新しい風を吹かせたアコスタ、ケガに苦しみながらもレースでは懸命にエースを支える走りを見せた花田。3名の新たなステージにエールを贈りたい。チームのために全力で走ってくれてありがとう!
レース当日。ジャパンカップクリテリウムの前座レースとなるウィメンズクリテリウムでは、下部育成チーム「ブラウ・ブリッツェン」の岡本彩那がスプリント勝負を制して優勝。地元優勝だけに宇都宮は沸いた。
15時40分にスタートの号砲が鳴ると、選手たちは一斉に飛び出した。宇都宮市大通り周回コースはスタートすると東武馬車道通りでJR宇都宮駅方面へと折り返し、残り約700mほどの上河原交差点で再び折り返す。スタート/フィニッシュ地点となる宇都宮二荒山神社前はフィニッシュに向けて登る緩い傾斜があり、最後にもう一度踏み込める脚力が試される。最後はスプリンターの争いになるだろう。
スタート直後から積極的にUCIワールドツアーチームが前に出て、レースは早々にハイスピードな展開に。集団が長く伸びる中、4名の選手が抜け出しに成功。そこに今年のツール・ド・フランスでポイント賞「マイヨ・ヴェール」を獲得したジョナタン・ミラン選手(リドル・トレック)たちも加わり9名に。しかし後続と差は広がらず、5周回目を終えると集団はひとつに。世界のトップ選手たちが見せつける「本場のスピード」に、国内チーム勢は集団後方ながら食らいついていく。
そんな中、フォン・チュンカイや岡は集団中程をキープ。6周回終了時にフォンは38位通過、岡は43位通過と比較的前方を位置取りしてチャンスをうかがう。8周回完了時は、マウンテンバイクで鍛えた抜群のバイクコントロールで前方に出てきた沢田時が3位通過。26位通過の岡をアシストするつもりだろう。
残り3周となっても決定的な逃げは決まらず、集団は6度目の優勝を狙うリドル・トレックのメンバーがペースを作る。国内チームも我らがAstemo宇都宮ブリッツェンやVC FUKUOKAが虎視眈々とチャンスを狙う。UCIワールドチームのバーレーン・ヴィクトリアスも負けずと前に出るが、リドル・トレックの鉄壁の走りに隙はない。
フォンが14位通過と前方でラスト1周に突入すると、集団は残り2.25kmを猛スピードで走り抜ける。まるで筋書き通りの圧巻の走りを見せたイタリア人ライダーのミラン選手がスプリント勝負を制し、リドル・トレックに6連覇となるジャパンカップクリテリウム優勝をプレゼントした。ミラン選手の平均速度は50.7km/hだった。
勝負にはからめなかったが、岡は7位と日本人最高位でフィニッシュして唯一のトップ10入りだ。この好調さで、日曜日は古賀志山を駆け抜ける。
【レース後の岡のコメント】
序盤から速く、一時は大人数が飛び出すいシーンもあったが途中からトレックがまとめてくれて、比較的レースは落ち着いた展開だった。だが、ずっと速いため余裕を持って走れず、最後はやはり力負けしてしまった。(ミラン選手がスプリントをかけたが)一列棒状で自分も着いていくだけでいっぱいいっぱい。勝負するというよりなだれこむ形になってしまい、まだまだ力の差があったと感じた。
7位に入ったが、過去3位(2022年、当時はEFエデュケーション・イージーポスト所属)に入ったこともあり今年も表彰台を狙っていた。この結果に満足することなく明日もがんばりたい。
先週体調を崩してしまい出場も危ぶまれた中で、今回そこまで悪い走りではなかったと思う。明日へ向けていい刺激になった。明日はまったく違うレースになるが、チーム一丸となって全力で戦いたい。
▼リザルト
1位 ジョナタン・ミラン(リドル・トレック) 39’58”
2位 ミカ・ヘミング(TUDORプロサイクリングチーム) +0’00”
3位 ヴラット・ヴァン・メッ ヒュレン(バーレーン・ヴィクトリアス) +0’00”
7位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’00”
13位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +0’00”
48位 沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’00”
52位 谷順成(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’00”
92位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0’39”
97位 武山晃輔(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’48”
▼スプリント賞
4周目 ライリー・シーアン(イスラエル・プレミアテック)
8周目 ライリー・シーアン(イスラエル・プレミアテック)
12周目 フィリッポ・リドルフォ(チーム ノボ ノルディスク)
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