【レポート】Jクリテリウムツアー第4戦 広島トヨタ広島クリテリウム
▼開催日
2025年7月6日(日)
▼会場
広島市西区商工センター特設コース
▼出場選手
谷 順成
沢田 時
岡 篤志
武山晃輔
花田聖誠
阿蘓来夢
秋元 碧
▼レース時間
予選①10:45〜/予選②11:10〜/決勝13:15〜
▼レース距離
予選:1周1.7km×6周= 総距離10.2km
決勝:1周1.7km × 25周 = 総距離42.5km
▼決勝出走人数
50名
▼レースレポート
広島クリテリウムは、「T」の字のような1周1.7kmのコースを25周する。スタート後、数百メートルで1つ目のコーナーをクリア。残り約1kmで再びコーナー。500mを過ぎたところで最終コーナーを曲がってフィニッシュラインへとなだれ込む。ストップアンドゴーの繰り返しだ。
最終コーナーはもちろん、残り数周からの位置取り争いも重要になる。
〈予選前の秋元コメント〉
昨日走ってみて暑さでやられた部分はあるが調子はいいと思う。(「このコースは後ろに下がると前に上がるのがキツイので、1周目から前に上がるのが重要だと思う」という谷のアドバイスを聞き)頑張ります!
〈予選前の花田のコメント〉
コンディションはよくない。鎖骨の怪我明けで膝や腰にもトラブルを抱えていて、不安が残る。2組には沢田選手と岡選手がいるので彼らについていき決勝に上がれることを目標に頑張ります。
この日は、2組に分けて予選を実施。各組25名、計50名が決勝に進出する。予選1組には武山、谷、阿蘓、秋元、2組は沢田、岡、花田が出走。秋元と花田は予選敗退となり、谷、沢田、岡、武山、阿蘓の5人が決勝へ進むことになった。
レース前のチームプレゼンテーションでは、元ヴィクトワール広島の谷が「3月のホームレースでは、ヴィクトワール広島の孫崎選手が優勝した。今度は広島の地で宇都宮ブリッツェンが優勝を獲りたい。その戦いをみていてください」などと意気込みを語った。確かに今回のコースは、1周の距離が短く宇都宮清原クリテリウムのコースレイアウトとよく似ている。あの時は岡がいち早く攻撃をしかけたものの最終的には優勝を逃す形になった。その悔しさを晴らしたいところだ。
13時15分、昨日同様、灼熱の中レースがはじまった。早速、攻撃を仕掛けたのは、元ブリッツェンの阿部嵩之(Velolien松山)選手。しかし独走力のある阿部選手をいかせてはならないと、集団は程なくして阿部選手を吸収した。
その後、周回賞などで先行する選手もいたが逃げは決まらないままレースが進行していく。また、阿蘓が落車しリタイアとなってしまった。
レース半分を過ぎても決定的な逃げは生まれず集団スプリントが濃厚になりはじめる。その中で「このコースは後ろに下がると前に上がるのがキツイ」という谷の言葉通り、ブリッツェンは全員が集団前方でレースを展開していた。もちろん前方にいられるのは、各選手力があるからだ。
レース終盤、シマノレーシングやKINAN Racing Team、ヴィクトワール広島などが固まりはじめ集団スプリントに向けて準備をはじめる。特に香山飛龍(シマノレーシング)選手が積極的に前を走り、集団をふるいにかける。
残り2周、シマノがトレインを作る。その中には、山本元喜(KINAN Racing Team)選手が単独で入り、ブリッツェンはシマノトレインの後ろを固まりながら走行する。お互いがお互いをにらみ合っている状況だ。
そして、最終周回でブリッツェンが畳みかける。最終周回突入時は、シマノトレインが先行するが、谷が攻撃開始。1つ目のコーナー手前までを牽ききり仕事を終えると武山にスイッチ。武山は内側からコーナーを一番にクリアし、シマノから主導権を奪う。沢田は武山のすぐ後ろ、岡は10番手あたりだった。ただ、きれいな隊列を組めているチームはなく、後ろを振り返り、エースを探すアシストもいた。
武山は2つ目のコーナーで仕事を終え後退。いよいよ最終コーナーに突入する。その中で最初に仕掛けたのは岡だった。宇都宮清原クリテリウムを思い起こさせる素早い攻撃。インでコーナーをクリアした時は3~4番手だったが、草場啓吾選手(愛三工業レーシングチーム)の左わきをスルスルと上がり、いち早くスプリントする。コーナーからフィニッシュまでは約400m。しかし、岡は後ろからさされることなく、そのままフィニッシュラインをトップで通過した。
岡は強かった。しかし、今回の優勝は個人の力に頼ったものではない。序盤からレース前方で展開し、最終周回は各選手が次々と攻撃を仕掛けた。主導権を握りレースを動かし、最後はエースの岡がエースらしい仕事をして勝利を手に入れた。岡はここから勢いにのり、勝利をさらに重ねてくれるだろう。
【レース後の岡のコメント】
ホーム戦であった宇都宮清原クリテリウムでは、孫崎選手にさされて惜しくも2位。非常に悔しかったが、リベンジができて本当にうれしく思っている。最後は孫崎選手をマークしていたが、けん制でスピードが落ちたのでイチかバチかで先に仕掛けた。最後まで抜かれず本当によかった。まずは来週のUCIレース「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」に向けて頑張りたい。
▼リザルト
1位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)1h08’39”
2位 孫崎大樹(ヴィクトワール広島) +1”
3位 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム) +1”
7位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +1”
26位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +45”
33位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +1’44”
DNF 阿蘇来夢(宇都宮ブリッツェン)
※全リザルトは下記URLをご参照ください。
https://jbcfroad.jp/wp-content/uploads/2025/04/JCT.pdf
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