【レポート】マイナビ ツール・ド・九州 第1ステージ(UCI2-1)
▼開催日
2025年10月11日(土)
▼スタート
筑後広域公園(福岡県筑後市津島831-1)
▼フィニッシュ
旧国鉄黒木駅跡(福岡県八女市黒木町今528-1)
▼出場選手
沢田 時
ルーベン・アコスタ
武山晃輔
花田聖誠
▼競技概要
筑後市→八女市 19.97km+16.74km × 6周回=総距離120.43㎞
出走:102名
スタート時間:11:00
▼レースレポート
ツール・ド・九州は、昨日のエキシビションレース「佐世保クリテリウム」を経て、今日から3日間の日程で本戦に入る。UCIアジアツアークラス1にカテゴライズされる国際レースで、UCIポイントもつくため年間プライオリティの高いレースだ。宇都宮ブリッツェンは昨日に引き続き岡篤志と谷順成を体調不良で欠き、沢田時、ルーベン・アコスタ、武山晃輔、花田聖誠の4名で出走する。
第1ステージは筑後市から八女市の総距離120.43㎞で、途中にスプリントポイントが3か所、山岳ポイントが6か所設定されている。スプリントポイントにはタイムボーナスもある。
<レース前の沢田のコメント>
「35度ぐらいに上がる予報が出ていて、とても暑い。4人での出走となるが、このレースはワールドチームやプロチームがどうしてもレースをコントロールしてくるので、6人揃っていたとしても自分たちでレースを仕切れる可能性は低い。そういう意味で、人数が少ないということをあまりマイナスに考えずに。今日のコースはまた厳しいので、4人でしっかり前で展開していきたい。大分のレースのあとに九州に留まり、今日のコースを試走したが、周回コースで6回出てくる上りが、結構パンチがある。宇都宮ジャパンカップの古賀志林道に近い印象。うちのチームが得意とする短くてパンチのある上りではあるので、位置取りをしっかりして、上りで生き残れるようにしていきたい。とにかくまずは前にいること、第2ステージ以降のことを考え、今日、タイム差が開かないように、フィニッシュも前に残ることが大切。あとは逃げても有利に働くコースだと思うので、そこも意識してスタートしたい」
東日本が雨雲に覆われ気温が下がる中、福岡のスタート地点は快晴で猛暑日になりそうなほど気温が上昇し、選手は真夏のジャージ仕様で11時にレース開始。パレード走行のちのアタック合戦の末、残り113km地点で7名の逃げが成功する。ここに宇都宮ブリッツェンからはルーベンが入った。この7名は残り60kmぐらいまでは2分以上の差をつけて先行。途中、ルーベンが少し遅れる場面もあったが、再び逃げに合流し、周回を重ねた。
初日からクイーンステージと言われるほど厳しい山岳コースで、粘っていたルーベンが45km地点遅れ、ほかの逃げのメンバーも残り35km地点で吸収された。この時点で集団の人数は70名ほど。
メイン集団はトタルエナジーズがコントロールし、次の決め手となった動きは残り26km。アレッサンドロ・ファンチェル選手(TEAM UKYO)がアタックし、それに追走した選手も含めて13名の逃げができた。日本人選手は入っておらず、ファンチェル選手以外の主なメンバーは、ジョルダン・ジェガット選手(トタルエナジーズ)、ニコロ・ガリッボ選手(TEAM UKYO)、ニコラス・ヴィノクロフ選手、ヘノック・ムルブラン選手(以上XDS・アスタナ)、ベンジャミ・プラデス選手(VC福岡)、ジョゼフ・ピドコック選手(Q36.5プロサイクリングチーム)、ルーカ・ファンボーヴェン選手(アンテルマルシェ・ワンティ)、キリロ・ツァレンコ選手(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)、レイン・タラマエ選手(キナンレーシングチーム)。このうち、残り16km地点でのタラマエ選手のアタックをきっかけに、ツァレンコ選手とガリッボ選手が追走に成功し3名の逃げが形成された。残り9km地点、最後の山岳ポイントにかかる上りでガリッポ選手が脱落し、勝負はタラマエ選手とツァレンコ選手に絞られた。
フィニッシュは残り1kmからの2人の牽制の末、タラマエ選手は先行を選択したが、しっかり後ろについていたツァレンコ選手が残り100mからまくって優勝した。宇都宮ブリッツェンは沢田と武山がメイン集団に残り、いい位置で走っていたが、途中に大きな落車が発生し、そこで完全に停止してかなり番手を下げてしまったのが不運だった。「脚に余裕があっただけに、あの落車の影響で遅れて、かなり悔しい結果になってしまった」と言う沢田が、チーム最高位の30位だった。
明日は第2ステージが熊本へと場所を変え、約114kmで争われる。誰もDNFになることはなく、引き続き4名で出走できる予定だ。
【レース後の沢田のコメント】
調子は良かった。ルーベンが最初逃げてくれて、他3人は集団で脚を温存することができた。武山選手がいい位置取りをしてくれていたので、自分は脚を残すことができた。ただ、残り2周の上りに入る1kmほど手前で落車があって、完全にストップしてしまった。そこでかなり番手を下げて上りに入ることになってしまい、前を追い切ることができなかった。脚に余裕があっただけに、かなり悔しい結果になってしまった。今日走ってみて、もちろん自分より格上のチーム、格上の選手はいるが、自分は上りでかなり余裕があることに気づけた。タイム差が開き、総合順位を狙うことは難しいので、「失うものは何もない」と思って積極的に攻め、トップ10とかは狙っていけると思うので、明日からも頑張っていきたい。
▼第1ステージリザルト
1位 キリロ・ツァレンコ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) 2h49’32”
2位 レイン・タラマエ(キナンレーシングチーム) +0’00”
3位 ニコロ・ガリッボ(TEAM UKYO) +0’43”
30位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +5’13”
61位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +7’51”
66位 花田聖誠(宇都宮ブリッツェン) +11’12”
90位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +16’33”
▼第1ステージ終了後の総合リザルト
1位 キリロ・ツァレンコ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) 2h49’22”
2位 レイン・タラマエ(キナンレーシングチーム) +0’04”
3位 ニコロ・ガリッボ(TEAM UKYO) +0’49”
30位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +5’23”
61位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +8’01”
66位 花田聖誠(宇都宮ブリッツェン) +11’22”
90位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +16’42”
※全リザルトは下記URLをご参照ください。
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