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2025/06/21 レース

【レポート】全日本選手権自転車競技大会ロードレースU23

【レポート】全日本選手権自転車競技大会ロードレースU23

 

▼開催日

2025年6月21日(土)

 

▼スタート&フィニッシュ

日本サイクルスポーツセンター(静岡県伊豆市大野1826)

 

▼出場選手

菅野蒼羅

阿蘓来夢

 

▼競技概要

日本サイクルスポーツセンター内サーキット 8㎞×14周  総距離112km

出走:119名

スタート時間:8:00

▼レースレポート

 

1年で最も緊張感にあふれる全日本選手権の2日間が始まった。まず初日のU23に菅野蒼羅、阿蘓来夢が出場した。菅野はツアー・オブ・ジャパンを完走したことで一回り成長した走りをしており、先週の全日本学生選手権個人ロードレースで2位。当然、U23のチャンピオンジャージに期待がかかった。阿蘓は加入したばかりではあるが、一輪車競技の日本一、いや世界一にもなった選手なので、こういうプレッシャーのかかるレースには慣れている。2人のホープに期待がかかる。

 

<レース前の菅野のコメント>

「先週、全日本学生選手権個人ロードレースがあり、そこで2位に入ることができて調子はとてもいいと思う。今日のレースはしっかり自分の力を信じて頑張りたい。暑さが厳しいが、それはみんなも同じ条件。暑さは気にせず走りたい。後半、脚がある選手との戦いになっていくと思う。前半ももちろん、重要な動きはチェックをしつつ脚をため、後半の優勝争いに備えたい。目標はやはり優勝」

 

レースは1周目に6名が先行。森本凜太郎選手(ヴェロリアン松山)、柚木伸元選手(KINAN Racing Team)など、良いメンバーが加わった。菅野と阿蘓はメイン集団待機で、先頭とメイン集団までは2周目で30秒差、3周目で1分30秒差…と徐々に開いていった。気温はぐんぐん上昇し、阿蘓が補給で氷を要求。熱中症にも注意しながらのレースとなった。

 

4周目で2分17秒差まで広がったが、5周目で集団がペースアップし、タイム差が35秒まで一気に縮まる。ここで阿蘓が集団からドロップ。実は先週の全日本学生選手権個人ロードレース出場後に体調を崩しており、阿蘓は6周目でリタイアとなった。

 

7周目には逃げの選手がシャッフルされて3名に。集団は距離を詰めたり広げたりしていたが、そのうちにリタイヤが続出し、119名の選手は集団25名に絞られた。菅野はそこにしっかり入り、後半のサバイバルレースに備える。

 

レースを決定づけたのは残り3周回目。橋川丈選手(愛三工業レーシングチーム)、森田叶夢選手(京都産業大学)の2名がアタック。菅野は反応できずに集団前方で前を追う。2名は協調してタイム差を広げていき、それを単独で追ったのが松井丈治選手(愛三工業レーシングチーム)、阿部源選手(VC FUKUOKA)で、菅野は5番手争いの集団内。

 

ファイナルラップになると橋川選手、森田選手の優勝争いは決定的で、それでも菅野は最後まで諦めず前を追う。フィニッシュは森田選手がスプリントで優勝を決めたが、菅野は5位争いのスプリントに加わり意地を見せたが、隣の選手の押圧を受けて落車。膝から大量の出血をしながらもなんとかフィニッシュして10位となった。

 

レース後、医療スタッフから応急処置を受け、病院に向かった菅野。ギヤが刺さったような跡があり、傷は深く、病院で縫合処置となった。29日の個人タイムトライアルへの出場は黄色信号となってしまった。しかし、22名しか残らなかったサバイバルレースで落車をしながら10位。UCIポイントも獲得し、今季の菅野の成長は本物であると確信する結果となった。

【レース後の菅野選手のコメント】

ケガについては、今、大会終わった直後でアドレナリンが出ているのか、あまり痛みを感じない。早めに病院に行き診てもらいたい。今日は優勝だけを狙って走り、前半は逃げができたが、愛三など有力チームが乗ってなかったし、メンバー的にはまだ泳がして大丈夫だと感じた。集団で落ち着いて走ることができ、後半に向けて脚をためることもできていたように思う。勝負どころとなった、今日、逃げ切った選手たちの動きに反応できなかったのは、まだまだ自分の脚が足らなかったのだと思う。アタック合戦のペースが速い中での勝ち逃げだったので、今回最後に逃げた選手は本当に強い。まさか最後に落車するとは思っておらず、でもなんとかトップ10には入りたいと諦めなかった。落車で負傷しただけでなく、チェーンも落ちてしまい、自分で直して、なんとかゴールして10位に入れた。

▼リザルト

 

1位 森田叶夢(京都産業大学 )3h20’55”

2位 橋川丈(愛三工業レーシングチーム) +0’00”

3位 松井丈治(愛三工業レーシングチーム) +1’12”

 

10位 菅野蒼羅(宇都宮ブリッツェン)+3’07”

DNF 阿蘓来夢(宇都宮ブリッツェン)

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://jcf.or.jp/download/communique5/?wpdmdl=80271&refresh=68566124cb3831750491428