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2024/03/12　レース

【レポート】Tour de Taiwan 2024 Stage3 浪漫台三線站

▼レースレポート

ツール・ド・台湾第3ステージは、前ステージと同じく山岳コース。天気は第2ステージの雨とは違って快晴で気温も20度を超え、台湾らしさが感じられる日となった。レースは前日6位に入り、総合もトップと18秒差となったルーベン・アコスタの総合ジャンプアップを図りたかった。コースは154.3㎞のうちスプリントポイントが前半に2回、山岳賞ポイントが後半に2回。北部の新竹県から台湾の東側を南下し台中まで。途中、フォンの出身地である苗栗県も通過する。

3.6㎞のパレード走行が終わり、すぐさま１名が飛び出したのちは、アタック合戦の連続だった。集団は縦に伸び続け、アタックが決まるとそれにブリッチしてくる選手が集団を引き連れてきてしまい、また集団が１つになるを繰り返して、アベレージスピードは50㎞/hにも。その中でも、宇都宮ブリッツェンは攻撃の手を緩めることはなく、最初は谷順成がアタックを試み、次はジェシット・シエッラが行き、それが捕まるとフォン・チュンカイが。アコスタも最後に脚を残しておきたいところではあったが、勝ち逃げと読んだ動きには自らが動いた。中でもスタートから40㎞付近でシエッラが逃げ出しに成功した11人のグループは決定的かと思われたが、ほどなく捕まってしまった。結局集団が落ち着いたのは残り90㎞付近で、9人のエスケープグループが形成された。実に1時間20分もアタック合戦が続いたこととなる。

そんな中でもシエッラは、この9人にジョインしようと、1人で集団から飛び出した。集団を連れて行かなかったのはいいアタックだったが、前に合流は叶わなかった。しかし、ライブ映像でも赤いジャージが大きく映し出され、常にアタックに絡み続けた宇都宮ブリッツェンは、ツール・ド・台湾にインパクトを与えたはずである。

結局この9人は勝ち逃げとなり、2分半ほどあったタイムギャップは30秒までは縮まったものの、スプリントチームの協力は得られず、NIQUET-OLDEN Bentley選手(CCACHE X PAR KÜP)が逃げのスプリントを制した。宇都宮ブリッツェンはメイン集団のスプリントでフォンが前方に位置し23位に入り、チーム最高位となった。アコスタはタイム差なしのフィニッシュとなり、総合のタイム差を18秒で維持し、総合は22位となった。

明日の第4ステージはスタートから上りが始まり29㎞地点に2級KOM、フィニッシュ前16㎞地点に1級KOMがある山岳コース。コロンビアの首都ボゴタの平均標高は2600ｍほどというが、明日の1級山岳は789m。コロンビア2選手の脚に期待したい。特にアコスタは総合とたった18秒差。最終ステージが集団スプリントになる可能性が高いので、差のつきやすい明日に総合の逆転を賭ける。

【フォン・チュンカイ選手のレース後コメント】

例年このステージは序盤にアタックが決まり、中盤の登りでペースが上がる展開だが、今年はアタックが決まらず常にインターバルが掛りペースが早かった。中盤の登りは逃げグループが決まっていたのでプロトンは安定していたが、後半はとにかくペースが早かった。ブリッツェンとしては、個人総合を狙うルーベンが遅れたり、トラブルに巻き込まれないようにするのが最優先なので、残り15kmはルーベンの側でフォローに徹した。

明日の第4ステージは、総合争いが決まる厳しいステージになるので、全力でルーベンをサポートし、総合順位を上げたいと思う。