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2023/05/23 レース

【レポート】ツアー・オブ・ジャパン2023 第3ステージ いなべ

ツアー・オブ・ジャパン2023 第3ステージ いなべ

 

▼開催日

2023年5月23日(火)

 

▼スタート

阿下喜駅前(三重県いなべ市北勢町阿下喜)

 

▼フィニッシュ

いなべ市梅林公園(三重県いなべ市藤原町鼎717)

 

▼出場選手

阿部嵩之

フォン・チュンカイ

堀孝明

谷順成

小野寺玲

本多晴飛

 

▼競技概要

阿下喜駅前~下野尻交差点~いなべ市梅林公園周回コース

パレード3.1km&5.5km+14.8km × 8周 = 総距離127.0km

出走:90名

スタート時の天気:曇り

スタート時間:9:30

 

 

 

▼レースレポート

 

三重県の最北部に位置し、滋賀県と岐阜県と接しているいなべ市は、アウトドアとサイクルツーリズムに力を入れる自転車乗りもウェルカムな土地柄。2015年に初めてツアー・オブ・ジャパン(TOJ)のステージに組み込まれて以来、毎回、白熱したレース展開でファンを楽しませてきた。勝負ポイントは、フィニッシュ地点のいなべ市梅林公園へ向かう道幅が狭くなる急坂区間(通称:いなベルク)。そして、その先の山岳ポイント(KOM)までの最大勾配17%の激坂区間が、選手たちを苦しめる。間近で選手たちの熱い走りが見られる、TOJ屈指の観戦ポイントとなっている。

 

そんな三重県いなべステージがコロナ禍の中断以降、4年ぶりにTOJへと帰ってきた。地元の歓迎ぶりもひとしおだ。スタート時には降り続いていた雨も止み、路面も乾いた良好なコンディション。出走ラインには前日の厳しいレースから6名減り、90名の選手たちが並んだ。宇都宮ブリッツェンのメンバーは6名とも元気な姿を見せた。

 

三岐鉄道北勢線の終着駅、阿下喜駅前から定刻どおりにパレード走行がスタート。最前列には、緑、青、赤、白の各賞リーダージャージを着用した4選手のほか、三重県の紀南市に本拠地を置くキナンレーシングチームが位置取る。長閑なパレード走行後、リアルスタートを告げる青色のフラッグが振られると、直後にケヴィン・マッカンブリッジ選手(トレニティ・レーシング、アイルランド)と、 カーター・ベトルス選手(ヴィクトワール広島、オーストラリア)の2名が飛び出す。

 

2選手の逃げは後方集団から容認され、ラップを重ねるごとに、45秒、1分15秒、1分43秒と広がり続け、3LAP目に入る時点で3分1秒となり、前日までで2分12秒差の個人総合成績34位につけていた カーター・ベトルス選手(ヴィクトワール広島、オーストラリア)が暫定の1位となる。しかし、それでも集団は動かず、最大4分6秒まで逃げの2選手との差が広がった。スタート時は17℃と肌寒かった  が、その後、時折晴れ間も現れ、24℃以上まで気温も上昇し、暖かい陽気に。

マトリックス パワータグ1チームのみが牽く後方集団は、5LAPに入る時点でもペースが上がらない。6LAP目にようやく区間勝利を狙うトレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム、愛三工場レーシングチーム、JCL TEAM UKYOも先頭を牽引し始めKOMからの下りでペースアップ。差を3分22秒と縮めて7LAP目へ突入。

 

宇都宮ブリッツェンとしては、谷順成の個人総合上位を目標とする為、つねに谷の側にはアシストメンバーがいる。集団の中ちぎれのフォロー、前方へのポジションアップ、機材トラブルで遅れるケースもあり、絶対にエース谷をトップグループから遅れさせぬとアシストメンバーも神経をとがらせる。

 

残り2周回で集団のスピードは一気に上がり、JCL TEAM UKYO、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム、キナンレーシングチームの3チームで追う。マトリックス パワータグが先頭で最終LAPに入るものの、逃げとの差は1分52秒。

 

残り一周回になった時点で、 カーター・ベトルス選手(ヴィクトワール広島、オーストラリア)がいなベルクで飛び出し、そのまま一人で逃げ切った。25回のTOJの歴史の中でもなかったオープニングアタックからの大逃げが決まった。個人総合成績はいなべステージ2位に入ったルーク・ランパーティ選手(トリニティ・レーシング、アメリカ)が1位となり、リーダージャージを獲得した。

 

最後のゴールシーン。宇都宮ブリッツェンは、谷が登りでのゴールでタイムロスしないよう、小野寺が谷を引き上げ最後の仕事を終える。谷はアシスト陣の走りに応えるよう、いなベルグをトップグループ内で駆け上がり、最小限のタイム差(20位)でフィニッシュした。

【谷順成選手のレース後のコメント】

チームとしては自分が個人総合順位から送れないように全員でサポートしていくとスタートを切りました。途中で落車などもあり、遅れそうなシーンでもチームメイトが自分のところまで降りてきてメイングループに戻してくれたりと最初から最後までチームメイトが側にいてくれてメイン集団に残ることが出来ました。最後の登りゴールに向けて小野寺選手がサポートしてくれて、自分でもしっかりモガくことが出来たので状態は良いと感じたレースだった。
明日の美濃ステージはトラブルなくレースを終えれるように走り、明後日の厳しいステージ、信州飯田に向けて備えたい。

 

▼第3ステージリザルト

 

1位  カーター・ベトルス(ヴィクトワール広島、オーストラリア) 3:15:29

2位 ルーク・ランパーティ(トリニティ・レーシング、アメリカ) +00:18

3位 イエルン・メイヤス(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム、オランダ) +00:18

 

20位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +00:25

43位 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン) +00:57

50位 本多晴飛(宇都宮ブリッツェン) +05:01

60位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +06:58

85位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +12:17

86位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン) +12:17

 

 

 

▼第3ステージ終了後の個人総合成績

1位 ルーク・ランパーティ(トリニティ・レーシング、アメリカ) 6:01:55

2位 ジャンバルジャムツ・セインベヤール(トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム、モンゴル) +00:02

3位 ゲオルギオス・バグラス (マトリックスパワータグ、ギリシャ) +00:04

 

18位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +00:24

38位 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン)+03:42

45位 本多晴飛(宇都宮ブリッツェン) +07:03

50位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +09:01

79位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +20:16

80位 堀孝明(宇都宮ブリッツェン) +20:25

 

※現在までの全リザルトはこちら https://toj.co.jp/2023/result-time