【レポート】2026 ツール・ド・台湾 第1ステージ(UCIアジアツアー2.1)
▼開催日
2026年3月15日(日)
▼スタート&フィニッシュ
台北市・総統府前(ケタガラン大通り)
▼出場選手
フォン・チュンカイ
セルジオ・トゥ
増田成幸
岡篤志
宮崎泰史
▼競技概要
台北市街地サーキット 8.91km×9周 総距離80.6km
出走:104名
スタート時間:9:00(現地時間)
▼レースレポート
2026ツール・ド・台湾がいよいよ幕を開けた。
UCIアジアツアー(クラス2.1)の主要レースであり、台湾唯一の国際プロロードレースである今大会。今年は世界各国から21チーム、計104名のトップライダーが集結した。UCIワールドチームのLOTTO-INTERMARCHÉを筆頭に、実力派のプロチームが顔を揃えるラインナップはツール・ド・台湾史上最も豪華であり、かつてない激戦が繰り広げられることは必至だ。
初日の舞台は、台湾の象徴ともいえる総統府前をスタートし、台北市街を駆け抜ける80.6kmのクリテリウム。沿道を埋め尽くす大歓声、および日本からチームオフィシャルツアーで駆けつけたサポーターの熱い声援が選手たちの背中を押し、真夏を思わせる熱気とともにスピード自慢たちが火花を散らす。
今大会は、この台北市ステージを皮切りに、総合争いの鍵を握る桃園市、起伏の激しい高雄市、逃げ集団の動きに注目が集まる屏東県、そして15年ぶりに復活し、花東縦谷の壮大な景色を舞台とする「幸福台九線」を経て花蓮へと至る、5日間・総距離約635kmの熱戦が展開される。
地元台湾のフォン・チュンカイとセルジオ・トゥの分析によれば、今年のコースは例年以上にフラットな局面が多く、ハイスピードな展開が予想されている。近年のツール・ド・台湾は総合リザルトが極めて僅差で決着する傾向にあり、各ステージに設定された中間スプリントポイントでのボーナスタイム争いが、最終的な順位を左右する決定的な要素となるだろう。この高速レイアウトは、高いスプリント能力と勝負強さを兼ね備えたエース岡篤志にとって、大きな勝機を呼び込む追い風となるはずだ。
Astemo宇都宮ブリッツェンにとって、今大会は2026年シーズンの命運を占う重要な開幕戦である。実戦初投入となるチームオリジナルデザインのバイクを駆り、以下の5名がアジアの頂点を目指して台湾の地を駆ける。
フォン・チュンカイ: 大会最多記録を更新する通算17回目の出場。台湾の英雄としてチームを牽引する。
セルジオ・トゥ: 現ロード&タイムトライアルの台湾2冠王者。2月におこなわれたアジア選手権でも個人TTで3位を獲得した。地元でのステージ優勝を狙う。
岡篤志: 今大会のチームエース。昨年のアジアンベストライダー2位。フラットな展開を味方に「アジアNo.1」の称号奪還を狙う。
宮崎泰史: 増田と共に3年ぶりにAstemo宇都宮ブリッツェンに復帰。タイムトライアルにも強く、高い独走力を誇るクライマー。今大会ではその脚力を活かした「逃げ」からの展開にも期待がかかる。
増田成幸: 3年ぶりにAstemo宇都宮ブリッツェンに復帰した“不死鳥”。ベテランらしい落ち着きと確かな登坂力で、エースのサポート、そして自らのチャンスを伺う。
今大会、Astemo宇都宮ブリッツェンが最も注目を集めるチームの一つであることは疑いようがない。サポーターの歓声を受け、力強くペダルを漕ぎ出す。昨年の雪辱を果たし、アジアの頂点へ。
レースはパレード走行が終了し、リアルスタートの合図とともに激しいアタック合戦が開始された。道幅の広い幹線道路ということもあり、多くの選手が飛び出しを試みるが、決定打を欠く展開が続く。約20分にわたる激しい攻防の末、ようやくWilliam HEFFERNAN選手(CCACHE x BODYWRAP)とIvan COBO選手(EQUIPO KERN PHARMA)の2名が先行に成功した。しかし、これに合流したい選手が多く、集団のペースが上がったため、逃げはあえなく吸収。その後も集団は落ち着きを見せない。
レースが大きく動いたのは、残り38km地点だった。小石佑馬選手(KINAN RACING TEAM)、Fergus BROWNING選手(TERENGGANU CYCLING TEAM)、Cormac MCGEOUGH選手(7ELEVEN CLIQQ ROADBIKE PHILIPPINES)の3名が抜け出し、逃げ集団を形成する。小石選手は昨年大会のベストアジアンライダー(ブルージャージ)の覇者であり、総合争いの鍵を握る。その実力者が逃げに乗ったことで、集団も警戒を強める。
逃げの3名とメイン集団との差はLOTTO-INTERMARCHÉのコントロールにより25秒ほどに抑えられたまま、レースは後半へ。残り27km地点に設定された2回目のスプリントポイントを通過した直後、小石選手とMCGEOUGH選手が集団へ戻ったことで、前方にはBROWNING選手ひとりが取り残される形となった。
メイン集団はLOTTO-INTERMARCHÉが鉄壁のコントロールを見せ、残り18km地点でBROWNING選手を吸収。残り10kmを切ると各チームが隊列を組み始め、残り2kmでは広い道幅をいっぱいに使ったハイスピードなポジション争いが繰り広げられた。ブリッツェンも隊列を組んで勝機を伺うが、運命の残り1km、集団内で不運な落車が発生。エースの岡がこれに巻き込まれる事態となった。幸い膝の打撲程度の軽症であったが、勝負の局面で戦線を離脱せざるを得ない痛恨の展開となった。
混乱の最終局面、集団スプリントを制したのはDusan RAJOVIC選手(SOLUTION TECH NIPPO RALI)であった。
波乱の幕開けとなった第1ステージ。しかし、真の戦いはここからだ。明日の第2ステージは、今大会の行方を左右する「クイーンステージ」桃園市。厳しい山岳が待ち受けるこのステージは、地元を知り尽くしたフォン、トゥのサポートを受け、Astemo宇都宮ブリッツェンのクライマー陣の本領が発揮される舞台となる。岡と今日のアジアンベストライダーとなった小石選手との差はわずか2秒差だ。明日で逆転、差を開きたい。
【レース後の岡のコメント】
残り1km付近、左側のカラーコーンに接触して転倒した選手がおり、避けることができず乗り上げる形で落車してしまいました。幸いにも現在は膝の打撲、打ち身程度で済んでいます。明日からのレースに影響が出ないことを願っています。不運な形にはなりましたが、気持ちを切り替えて明日以降のステージに挑みます。
▼第1ステージリザルト
1位 Dusan RAJOVIC(SOLUTION TECH NIPPO RALI) 1:35:54
2位 Liam WALSH(CCACHE x BODYWRAP) +0:00
3位 Andrea D'AMATO(TEAM UKYO) +0:00
20位 フォン・チュンカイ(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0:00
58位 セルジオ・トゥ(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0:00
80位 宮崎泰史(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0:00
93位 増田成幸(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0:00
94位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0:00
※ラスト3km以内での落車救済措置により、完走した全選手がトップと同タイム扱い
▼第1ステージ終了後の総合リザルト
1位 Dusan RAJOVIC(SOLUTION TECH NIPPO RALI) 1:35:44
2位 Liam WALSH(CCACHE x BODYWRAP) +0:01
3位 Andrea D'AMATO(TEAM UKYO) +0:06
23位 フォン・チュンカイ(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0:10
59位 セルジオ・トゥ(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0:10
81位 宮崎泰史(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0:10
94位 増田成幸(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0:10
95位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0:10
▼個人総合順位(イエロージャージ)
1位 Dusan RAJOVIC(SOLUTION TECH NIPPO RALI) 1:35:44
▼ベストスプリンター(グリーンジャージ)
1位 Liam WALSH(CCACHE x BODYWRAP) 15pt
▼ベストアジアンライダー(ブルージャージ)
1位 小石佑馬(KINAN RACING TEAM) 1:35:52
※全リザルトは下記URLをご参照ください。
https://atresult.synology.me/PDF/
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