【レポート】JBCF第1回 大田原ロードレース
▼開催日
2026年9月5日(土)
▼スタート&フィニッシュ
大田原市湯津上支所前( 栃木県大田原市湯津上5-1081 )
▼出場選手
谷 順成
増田成幸
フォン・チュンカイ
沢田 時
岡 篤志
宮崎泰史
▼競技概要
栃木県大田原市湯津上 公道特設コース 1周 8.4km×14周=総距離117.6km出走:70名
スタート時間:8:30
Jプロツアーはいよいよ終盤戦を迎え、今大会を含めて残すところ2戦となった。Astemo宇都宮ブリッツェンは、チーム総合2連覇と個人総合優勝の2つのタイトル獲得をかけた重大な局面を迎えている。チーム総合ランキングでは、首位に立つブリッツェン(3807pts)を2位のヴィクトワール広島(3469pts)が追う展開だ。チーム年間ポイントは各レース上位5名の獲得ポイントの合計で争われるため、今日のレースでも、上位に1人でも多くの選手を送り込む組織力が求められる。
一方、個人総合ランキングでは、首位の岡篤志(1746pts)が2位の孫崎大樹選手(ヴィクトワール広島/1618pts)を128ptsリードしている。岡は優勝を狙わなくとも、孫崎選手の動きを封じ、1つでも先着すれば総合首位を守れる優位な状況にあるが、➴季の勝利がクリテリウムにとどまっていることから、ロードレースでの勝利に対する思いも強い。
初開催となる大田原ロードレースの舞台は、1周8.4kmの公道特設コース。細かなアップダウンとコーナーが連続し、レイアウト以上に脚を削られるパンチャー向きのコース設定だ。フィニッシュ手前は上り基調となっており、最終局面の激しいスプリント勝負、あるいは集団を振り切るアタックの展開が予想される。
チームにとっては、7月5日の大町温泉郷ロードレース以来、約2か月ぶりのレースとなる。夏季中断期間中、他チームが海外レース等で実践経験を重ねる一方、オフ➫ードレースに参戦した沢田時を除く多くの選手が、長く実戦から離れることとなった。充分な休息とトレーニングの成果が実を結ぶか、レース勘のブランクが響くか、各選手のコンディションが問われる。
この重要な一戦に、チームは6名の精鋭で挑む。9月3日に誕生日を迎えたばかりの個人ランキングリーダー岡篤志、そしてレース当日の本日9月5日に誕生日を迎えた宮崎泰史が、記念すべき日に勝利を目指して出走する。キャプテンの谷順成、ベテランの増田成幸、実績豊富なフォ ン・チュンカイ、別種目で実戦をこなしてきた沢田時が盤石の体制を組み、チーム総合首位の座を確実なものとすべく、地元開催のレースに臨んだ。
レース前の岡のコメント
「現在、個人ランキング・チームランキングともに非常に僅差でここまできており、互いに見合った状態でのレース展開になると予想されます。しかし、消極的な守りの走りに入りすぎることなく、しっかりと攻撃的に、優勝を目指して戦いたいと考えております。
フィニッシュ手前は上り基調のスプリントとなり、非常にタフな勝負になるかと思いますが、粘り強く最後まで諦めずに、全力でもがき切りたいと思います。
本日は地元開催のレースということで、多くのファンの方々やメディアの皆様が会場へ駆けつけてくださっています。地元の皆様の前でしっかりと良い走りを披露したいと思っておりま す」
<レース前の鈴木監督のコメント>
「Jプロツアーも残り2戦となり、2位のヴィクトワール広島とのポイント差もかなり僅差となっておりますので、今日のレースも非常に重要な一戦となります。
まずはもちろん優勝を目指して戦いたいと思っておりますが、やはりチーム総合順位をしっかりと意識して進めることが不可欠です。これまで1年間積み重ねてきたものを無駄にしないよう、とにかくミスがないようにチーム全体でしっかりとまとめていきたいと考えております。
ライバルであるヴィクトワール広島には強力な海外選手が3名おり、逃げにも乗れてスプリントもこなせる選手たちですので、その攻撃をいかに封じ込め、我々の選手を上位に送り込めるかが鍵となります。大きなミスをしない走りを徹底します。
また、個人ランキング1位の岡選手、そしてそれを追う2位の孫崎選手(ヴィクトワール広島)はお互いにマークし合う展開になると予想されます。スプリント勝負になれば岡選手が確実に獲ってくれると信頼していますので、チームとしては他の選手たちがしっかりとチーム総合上位をキープできるよう連携して動いていきたいですね。
地元のホームレースとなりますので、これまでの1年間の成果をしっかりと形に残せるよう、チーム一丸となって戦っていきます」
スタートライン最前列には、個人ランキング1位の証である赤いリーダージャージを纏った岡、そしてチームランキング首位に君臨するAstemo宇都宮ブリッツェンの面々が集結した。
レースがスタートすると、Astemo宇都宮ブリッツェンが集団の先頭で蓋をし、主導権を握る構えを見せる。半周を過ぎたところでヴィクトワール広島が積極的に動いて集団が活性化する と、危険な飛び出しに対してはAstemo宇都宮ブリッツェンのメンバーが代わる代わる素早くチェックへ入る。2周回目の終盤、レオネル・キンテロ選手(ヴィクトワール広島)のアタックに増田が鋭く反応。これにより、増田、キンテロ選手に加え、島崎将男選手(群馬マンモスレーシング)、阿部嵩之選手(ヴェロリアン松山)、佐藤大志選手(Team CyclersSNEL)、林原聖真選手(シマノレーシング)の6名による逃げグループが形成された。
5周回目突入時でメイン集団との差は1分44秒、7周回目には1分48秒まで広がったが、8周回目に入ると逃げグループ内の協調が乱れ始める。集団スプリント勝負に持ち込みたいAstemo宇都宮ブリッツェンは、メイン集団の牽引に加わると同時に、前方にいる増田が逃げのローテーション参加を控えるクレバーな走りを展開。前後のグループ双方で組織的にレースをコントロールしていく。9周回目のコントロールラインで差は1分26秒まで縮まり、集団先頭では谷が渾身の牽引を見せる。谷の力強い引きにより、タイム差は10周回目で1分12秒、11周回目には52秒、12周回目には42秒と一気に縮まった。
12周回目の半周付近でキンテロ選手のアタックをきっかけに逃げの協調が崩壊。阿部選手が脱落して5名となり、さらに林原選手のアタックによって前方グループは散発的な展開へ持ち込まれた。13周回目に入るコントロールラインでタイム差は25秒まで縮まり、逃げの姿を目前に捉えた久保田悠介選手(ヴィクトワール広島)が飛び出しを図るも、沢田が冷静に対応してこれを阻止する。
単独先行を続ける林原選手を僅かな差で追う形でファイナルラップへ突入する前に、増田ら追走勢はメイン集団へと吸収された。集団の通過順位はネクストリーダーズジャージを着用する島崎選手、岡、孫崎大樹選手(ヴィクトワール広島)の順で通過し、その直後に沢田がぴたりとつける。約25名まで絞られたメイン集団の中に、Astemo宇都宮ブリッツェンは出走した6名全員を残しており、圧倒的なチーム力を見せつけた。
激しい攻防が続いた最終周回の半ばで4名の逃げが発生し、ここにも増田がしっかりと追従。残り3kmで風間翔眞選手(シマノレーシング)が単独アタックを仕掛け、ルーク・バーンズ選手(ヴィクトワール広島)と増田が追走する。この3名が集団に捕まった瞬間、再びシマノレーシングの選手が飛び出すと、フォン・チュンカイと増田が即座に反応。ヴィクトワール広島の選手2名も加わり5名の先行グループが形成された。集団スプリントへ持ち込みたいAstemo宇都宮ブリッツェンとヴィクトワール広島の4名は静観の構えを見せていたが、上り区間の入口で一瞬の隙を突いてフォンが鋭くアタック。慌ててもがくヴィクトワール広島の2名はここで脚を使うこととなった。そして後方集団もペースを上げて残り500m地点で全員を飲み込んだ。
決着は狙い通りの集団スプリントへ。ヴィクトワール広島のエリオット・シュルツ選手が孫崎選手を解き放とうとする中、その背後を完璧にマークしていたのは岡だった。残り50mで力強く加速して先頭へ躍り出ると、残り25mで勝利を確信。右手の親指を口にし、その手を力強く突き上げ、自身の第一子誕生を祝う「おしゃぶりポーズ」でフィニッシュラインを駆け抜けた。
今季ロードでの勝星に恵まれなかった岡にとって、見守る家族の前で掴み取った価値ある勝利。今大会(SILVERグレード)のリザルトにおいて、見事に優勝を果たした岡は400ptsを獲得。さらに5位に沢田(180pts)、7位に谷(120pts)、17位に増田(24pts)、25位にフォン
(16pts)が入り、上位5名の合計ポイントは740ptsとなった。一方、ライバルのヴィクトワール広島は2位エリオット・シュルツ選手(320pts)、3位孫崎選手(260pts)、21位ルーク・バーンズ選手(16pts)、22位久保田選手(16pts)、29位白川幸希選手(16pts)で計628ptsを獲得。この結果、レース前の個人ランキング首位・岡(1,746pts)は合計2,146ptsまで伸ばし、2位・孫崎選手(1,618pts+260pts=1,878pts)との差を268ptsにまで広げることに成功した。またチームランキングにおいても、首位Astemo宇都宮ブリッツェン(3,807pts)が4,547ptsとし、2位ヴィクトワール広島(3,469pts+628pts=4,097pts)とのリードを450ptsに拡大させた。
次戦はいよいよ今季Jプロツアー最終戦となる、最高レイティング「PLATINUM」の南魚沼ロードレースが控える。PLATINUMレースのポイント配分は優勝が800pts、2位640pts、3位520ptsと極めて高いため、今のチームの獲得ポイントが安心できるものとは言い難い。岡が他選手の結果に依存せず自力で個人総合優勝を確定させるには2位以上(640pts以上取得)を狙いたいとこ ろ。仮に孫崎選手が優勝(800pts)して2,678ptsに到達した場合でも、岡が2位に入れば合計2, 786ptsとなり首位を死守できる。またチーム総合優勝においても、450ptsのアドバンテージを保っているため、上位陣が手堅く着順をまとめることで自力でのダブルタイトル獲得が完結する。チーム総合が取れれば2年連続5度目の獲得となる。
さらに最終戦では、チーム上位3名の着順合計で競われる伝統の「経済産業大臣旗」の戴冠もかかっている。昨年はこのタイトルを取っているため、昨年に続く2連覇、そしてJプロツアー個人・団体の完全制覇へ向けて、チーム一丸となった王者の走りに期待がかかる。南魚沼ロードレースの当日を、Astemo宇都宮ブリッツェンの日にしよう。
レース後の岡のコメント
チームメイトのみんなが本当に力強く動いてくれて、最後は自分が勝負を託される形となりました。孫崎選手(ヴィクトワール広島)のマークや相手チームからの波状攻撃があり、非常に苦しい展開ではありましたが、1つ1つしっかりと反応して防ぐことができました。どんな展開になっても勝負できる強いチームだと確信していましたし、自分の脚にも自信があったので、絶対に勝つしかないという思いで臨み、良いスプリントで勝ち切ることができて良かったで す。
また、今回は家族も応援に駆けつけてくれている中、父親になってから初めての優勝を地元で飾ることができ、心から嬉しく思っています。今日はチームメイトが尽力してくれたおかげで、自分は最後の役割を果たすだけでした。最高のサポートをしてくれたチームに感謝しています。
Jプロツアーの残すところは最終戦の南魚沼(経済産業大臣旗)となりました。最もポイント配分が高いレースであり、今回の勝利でリードを少し広げることはできましたが、まだまだ逆転される可能性も十二分に残っています。最後まで気を抜かず、チームランキング・個人ランキングともに優勝でシーズンを締めくくれるよう、全力を尽くします。応援ありがとうございました!
▼リザルト
1位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) 2h46’08”
2位 エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島) +0’00”
3位 孫崎大樹(ヴィクトワール広島) +0’00”
5位 沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’01”
7位 谷順成(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’02”
17位 増田成幸(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’03”
25位 フォン・チュンカイ(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’22”
26位 宮崎泰史(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’55”
※全リザルトは下記URLをご参照ください。
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