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2026/03/28 レース

【レポート】JBCF Jプロツアー 第2戦 広島三原ロードレース

【レポート】JBCF Jプロツアー 第2戦 広島三原ロードレース

 

▼開催日

2026年3月28日(土)

 

▼スタート&フィニッシュ

広島県中央森林公園(広島県三原市本郷町上北方1315)

 

▼出場選手

谷 順成

沢田 時

岡 篤志

武山晃輔

菅野蒼羅

阿蘓来夢

 

▼競技概要

広島県中央森林公園サイクリングコース 12.3km × 10周 総距離123.0km

出走:103名

スタート時間:12:00

いよいよJプロツアーの2026シーズンが幕を開けた。 ツール・ド・台湾で実戦の火蓋を切ったAstemo宇都宮ブリッツェンにとって、このJBCF 広島三原ロードレースが国内初戦となる。 昨シーズンはチームランキング1位に輝いたものの、個人ランキングでは惜しくも2位。 「個人・チーム共に年間総合1位」というミッションに向け、重要なスタートダッシュの一戦だ。

 

例年、真夏の酷暑の中で開催され、選手たちを苦しめてきた広島大会。今季からは3月開催へと変更されたが、標高差のある中央森林公園特有のタフなコースレイアウトは健在だ。 「広島八谷建設 3段坂」をはじめとする厳しい上りと、テクニカルなコーナーが連続する1周12.3kmのコースを10周する戦いに挑む。 チームは、キャプテンの谷順成を中心に、沢田時、岡篤志、武山晃輔、菅野蒼羅、阿蘓来夢という布陣で出走。 広島空港を望むこの地で、今季のAstemo宇都宮ブリッツェンがどのような走りを見せるのか。

 

<レース前の岡のコメント>

「自身のコンディションとしては、台湾遠征帰りということもあり、まだ絶好調と言い切れる状態ではありません。しかし、チーム全体を見渡せば、谷選手をはじめ若手選手の調子が非常に良く仕上がっています。今日はチーム一丸となって勝利を目指し、走り抜きたいと考えています。広島大会が3月の開催となり、気温21〜22度ほどと暑すぎず寒すぎず、非常に走りやすい最高のコンディションだと感じています。他チームがすでに国内でのレースを重ねている中、我々ブリッツェンにとってはこれがJプロツアーの初戦となります。多少の不安要素はありますが、ここで良いイメージを構築し、シーズンを通して戦い抜くための足掛かりにできれば。チーム全員でしっかりと力を尽くし、最高のスタートを切りたいと思います」

 

<レース前の鈴木監督のコメント>

「いよいよJプロツアーの初戦を迎えます。今大会がシーズン初戦となる選手もいれば、台湾遠征を戦い抜いた岡選手も出場します。まずは現時点で、各選手がどの程度まで仕上がっているのかをしっかりと見極めたいと考えています。今回の編成については、若手選手にとって貴重な実戦の場となります。Jプロツアーという舞台で彼らがどこまで通用するのかを測る良い機会ですので、レース後のフィードバックを密に行い、今後のトレーニングへと繋げていく方針です。一方で、経験豊富なベテラン選手たちには多くのチャンスが巡ってくると確信しています。そのチャンスを確実に手繰り寄せ、優勝を狙いにいきます。まずは本日の彼らの走りに、大いに期待しています」

 

半袖でも過ごせる陽気の中、やや強めの風が吹くコンディションでレースは幕を開けた。フィニッシュラインに対しては向かい風となり、上り基調のゴールスプリントは非常に過酷なものとなることが予想された。1周の獲得標高差が230m、10周回で合計2300mという、上りに強いスプリンターやパンチャー向けのコースが選手たちを待ち受けた 。

 

アクチュアルスタートが切られると、沢田がファーストアタックを仕掛け、単独で集団を飛び出した。シクロクロスやマウンテンバイクですでにシーズンインしている沢田だが、今季のロードレースはこれが初戦となる 。沢田は集団に25秒の差をつけて2周回目に入ったが、約1周を逃げ切った後に集団へと戻った 。

 

2周目の3段坂で集団が割れ始める中、Astemo宇都宮ブリッツェンは常に先頭に選手を送り込み、追走のアタックにも冷静に反応し続けた。3周回目には阿蘓が集団からドロップするものの、本隊はひとかたまりで勝負の時に備える。

4周回目、レオネル・キンテロ選手(ヴィクトワール広島)と金井健翔選手(Sparkle Oita Racing Team)の2名が逃げを開始した。6周回目に入る時点で、この2名と集団との差は1分11秒まで開いたが、残り50kmで逃げはキンテロ選手のみとなった 。

 

7周回目に入るコントロールラインでキンテロ選手は吸収され、集団が一つになると同時に激しいアタック合戦が勃発。その末にエリオット・シュルツ選手(ヴィクトワール広島)が単独逃げを決めた。ホームレースでの完全優勝を目標に掲げるヴィクトワール広島は、非常に積極的な動きを見せる 。

 

7周回目の3段坂、シュルツ選手と30名ほどに絞られた集団との差は30秒。集団先頭では武山と谷が積極的に引き、群馬マンモスレーシング、KINAN Racing Teamもこれに協力した。8周回目の3段坂でシュルツ選手はいったん吸収されたが、再びアタック合戦が繰り返された 。

 

9周回目に入る頃、集団は19名まで小さくなり、ブリッツェンからは岡と谷が残った。
しかし、それまでのアタック合戦をかなり捌いていた岡が、同周回の3段坂で遅れ、先頭は8名に絞られた 。

 

勝負を決めるファイナルラップ、Astemo宇都宮ブリッツェンは谷が単騎で先頭集団に残った。他のメンバーは、シュルツ選手、バーンズ・ルーク選手(以上ヴィクトワール広島)、山本元喜選手、新城雄大選手、トマ・ルバ選手(以上KINAN Racing Team)、島崎将男選手(群馬マンモスレーシング)、木村純気選手(VC FUKUOKA)の計8名。ヴィクトワール広島が2名、キナンが3名と、ライバルチームが数的優位に立つ状況となった 。

 

3段坂での仕掛け合いにより、8名はバラバラに。島崎選手とシュルツ選手が先行したが、3段坂の終盤でシュルツ選手がさらに単独アタックを仕掛けて抜け出した。谷は追走の4名に入り、前を追った 。

 

結果、エリオット・シュルツ選手が独走で勝利を飾った。後方の4名によるスプリント勝負では、かつてヴィクトワール広島に所属し、この地に強い思い入れを持つ谷が、得意の上り基調のスプリントで食らいつき3位に食い込んだ 。

 

広島での生活経験があり、今も多くの応援を受けて走る谷。宇都宮に次ぐ第二の故郷ともいえるこの場所で結果を残したいという彼の強い意志が、チームに今季初の表彰台をもたらした。谷はチームに加入し、キャプテンとなって4年目だが、個人ロードレースでの表彰台はこれが初めてだ。これまで、キャプテンとしての重責を多少なりとも感じつつ、
こうして結果を出せた谷の表彰台は、とても晴れやかだった。

 

明日のクリテリウムは、昨年、岡が優勝。2連覇に向けてチーム一丸で挑み、2日連続表彰台を果たしたい。

レース後の谷のコメント】

今日のレースは、もともと私か岡選手で最後に勝負できる形を作るという作戦でした。他のメンバーがしっかりと展開を作り、レース中も全員で密にコミュニケーションを取りながら進めることができた結果、予定通り私と岡選手を最終盤に残すことができました。

残り3周からの激しいアタック合戦では、岡選手がかなりの負担を担ってくれたので、「あとは自分がまとめるだけだ」と集中して前を追いました。ラスト1周の3段坂でのアタックに少し出遅れ、優勝争いの選手を逃してしまった瞬間は厳しいかとも思いましたが、すぐに気持ちを切り替えました。4名に絞られたスプリント勝負の中で「必ず表彰台に乗る」と心に決めて踏み切り、なんとか3位に食い込むことができました。

チームに加入して4年目になりますが、個人ロードレースでの表彰台はこれが初めてとなります。これまでチームメイトに助けてもらうことが多かった分、今年は自分が良い流れを作りたいと考えていました。まずはこうして表彰台に立てたことで、最高のスタートが切れたと感じています。

明日のクリテリウムは、岡選手が優勝経験を持つ相性の良いレースです。しっかりと優勝を狙い、良い形で来週のホームレースへと繋げたいと思います。今日はまず表彰台を確保できたので、明日またチーム一丸となって勝利を目指します。

レース後の鈴木監督のコメント】

レース中盤までブリッツェンが前方でコントロールを行い、海外勢の揺さぶりに対してもチーム全員で冷静に対応できていた点は高く評価しています。序盤、シュルツ選手やキンテロ選手らの動きに対しても、常に前方で反応していた分、徐々に脚を使う展開とはなりましたが、積極的な走りができていました。

終盤には岡選手と谷選手の2名が第1集団に残り、特に谷選手は上りでも余裕を持ちながら、周囲の動きを巧みに利用して走っていました。これまでの走りとは違う、確かな成長を感じさせる内容だったと思います。

Jプロツアー初戦、そして谷にとってもブリッツェン加入後初の表彰台となりました。優勝には届きませんでしたが、内容としては充分に戦えており、今後に向けて非常に期待の持てる走りでした。明日の広島クリテリウムでも、チーム全員でさらに成長した姿を見せ、優勝にこだわって戦い抜きたいと思います。

▼リザルト

 

1位 エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島) 2h58’39”

2位 新城雄大(KINAN Racing Team) +0’23”

3位 谷順成(Astemo宇都宮ブリッツェン) +0’24”

 

9位 岡篤志(Astemo宇都宮ブリッツェン) +1’59”

20位 沢田時(Astemo宇都宮ブリッツェン) +5’32”

26位 武山晃輔(Astemo宇都宮ブリッツェン) +5’35”

52位 菅野蒼羅(Astemo宇都宮ブリッツェン) +9’26”

DNF 阿蘓来夢(Astemo宇都宮ブリッツェン)

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://jbcfroad.jp/wp-content/uploads/2026/01/%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%83%AB%E3%83%88_0328_JPT.pdf