ニュース:レース

2025/05/25 レース

【レポート】Tour of Japan 2025 第8ステージ 【SPEEDチャンネル 東京】UCIアジアツアー2.1

【レポート】Tour of Japan 2025 第8ステージ 【SPEEDチャンネル 東京】UCIアジアツアー2.1

 

▼開催日

2025年5月25日(日)

 

▼スタート&フィニッシュ

大井埠頭(東京都大田区東海)

 

▼出場選手

谷 順成

沢田 時

岡 篤志

ルーベン・アコスタ

武山晃輔

菅野蒼羅

 

▼競技概要

大井埠頭周回コース パレード3.8㎞/6.5㎞ ×16周  総距離104.0㎞

出走:82名

スタート時間:11:00

▼レースレポート

 

2025年のツアー・オブ・ジャパンはいよいよ最終日。大井ふ頭を周回するSPEEDチャンネル 東京ステージが開催された。今レース、ステージ優勝をして一時はリーダージャージを着た岡を中心に戦い、チームのターゲットは総合3位以内からポイント賞争いへと変更となったが、宇都宮へブルーのジャージを持ち帰るべく、総力を上げて最終ステージに挑んだ。

今日のステージの中間スプリントポイントは3回。通過順位3位までに上位から5、3、1ポイントが加算される。すべて1位通過すれば15ポイントが入る計算だ。昨日までのポイント賞争いは以下の通り。

 

1位 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテ ル(VC福岡) 55p

2位 アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)53p

3位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) 52p

 

プラデス選手とはわずか3ポイント差。中間スプリントポイントを逃さず加算していきたいが、スプリント勝負が予想されるフィニッシュでは1位に25ポイントがつく。中間でコツコツ稼いでも、ステージ優勝にはポイントで叶わない。また2位なら20ポイント、3位なら16ポイント…と、1つ順位を下げただけでポイントが大きく違ってくる。ジャージの行方はプラデス選手の動き次第とも言えた。プラデス選手の所属するVC福岡は3名しか残っておらず、宇都宮ブリッツェンは6人というフルメンバー。数的優位も生かしていきたい。もちろんアレッサンドロ・ファンチェル選手(JCL TEAM UKYO)にも注意が必要だ。

 

<レース前の鈴木監督のコメント>

「ついに最終日がきた。今日は宇都宮からの応援バスツアーもあって、ファンの皆さんのたくさんの応援があると思うので、それを力に変えて頑張りたい。今日の目標はステージ優勝。それに尽きる。ステージ優勝をすればポイント賞ジャージもついてくる」

 

<レース前の谷のコメント>

「チームとしては第2ステージで岡選手が勝ってくれて、第3ステージではリーダーチームとして走ることができ、貴重な経験だった。その後のレースはチームとしてうまくいかなかった部分もあったが、今日は宇都宮からのたくさんのファンの皆さんが現地まで来てくださったので、この東京ステージでもう一度、自分たちの存在感を示し、レースを動かしていきたい。岡選手のスプリントでのステージ優勝を狙い、チーム一丸となって走りたい」

 

昨夜から降っていた雨は上がり、路面はほぼ乾いた状態でレースがスタート。宇都宮からは応援バスツアーが到着し、選手たちは赤い応援の後押しを得る。まるでホームゲームのような大歓声の中、レースはアタックを決めたいチームと集団をまとめてゴールスプリントに持ち込みたいチームとの攻防が続き、逃げが決まっては捕まる…を繰り返す。宇都宮ブリッツェンは逃げを捕まえつつも、岡の中間スプリントにも対応しなければならない。そして迎えた1回目のスプリントポイントは、全員でアシストしてきっちりと岡が1位通過。2位はVC福岡の本多晴飛選手で、岡の得点を阻止するチームとしての動きだったかもしれないが、岡のほうが一枚上手だった。ポイント賞リーダーのベンジャミ・プラデス選手は着に絡めなかったので、これで暫定順位は以下の通り。

 

1位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) 57p

2位 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテ ル(VC福岡) 55p

3位 アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)53p

 

プラデス選手より岡が2ポイント上回り、ポイント賞のバーチャルリーダーに。続く2回目、3回目の中間スプリントはいずれも3位となったが、1ポイントずつ加算できて合計59ポイント。4ポイント差が開いたが、先述の通りフィニッシュの配点が高いため、宇都宮ブリッツェンとしてはステージ優勝、もしくはライバルたちを見据えつつ、できるだけ上位に岡を送り込まなければならなかった。

気の抜けない高速の周回レース。特に残り3周からはチームでまとまって集団を牽引。赤いトレインがゴールスプリント勝負に賭ける意志を示した。

フィニッシュはシマノレーシング、愛三工業レーシングチーム、 シーキャッシュ X ボディラップが2名ずつを残しスプリントに備える中、岡とプラデス選手は単騎勝負。しかも2人が肩を並べてもがく。コントロールラインではリアム・ウォルシュ選手(シーキャッシュ X ボディラップ)が勝利し、両手を上げている少し後ろで、ハンドルを投げる岡とプラデス選手。この密かな決戦の結果は、プラデス選手が6位、岡が7位。微妙な位置の順位であったため、フィニッシュのポイント表を見なければ結果がわからない状態だったが、6位が10ポイント、7位が9ポイントでわずか1ポイント差の配点であったため、岡のポイント賞ジャージが確定した。

昨日岡は、チームとして正直“失敗”であった第7ステージのあと、肩を落としながら「最終ステージ、笑って終えられたらすべてが報われると思う」と言った。ステージ優勝をし、一時はリーダージャージを着て華々しくレースを走っていたが、体調不良に陥り、不甲斐なさに気を落としつつも、できることを精一杯やりながら毎ステージを戦ってきた。そして最後にポイント賞獲得。宇都宮にブルーのジャージを持ち帰りたいという強い思いが、岡に力を授けてくれた。

宇都宮ブリッツェンにとっては大変収穫のあった、また最後にみんなで笑って報われたツアー・オブ・ジャパンとなった。今日の最終走者は谷と武山。8日間総走行距離は769.5㎞、総獲得標高は13,319m。最終ステージは特に、宇都宮ブリッツェンがスタートからフィニッシュまで動き続け、その結果が谷と武山のステージリザルトだろう。8日間でチームは成長し、より「ONE TEAM」の絆を深めた。

最後に、今大会を通して、現地やSNSを通じて応援をしてくださったサポーターの皆様、またこの日本最大のステージレースを開催してくださった関係者の皆様、コースを使わせてくださった地域の皆様、すべての方に心から感謝申し上げます。

【レース後の岡選手のコメント】

8日間を振り返り、本当に厳しい戦い、激しい戦いだった。苦しい場面がたくさんあったが、最後にこうして表彰台に乗ることができて嬉しく思う。第2ステージの京都で優勝し、第4ステージの美濃のあとで体調に異変を感じ、汗が止まらず寒気がする状態で、そこから薬などを飲みながらなんとか繋いだ。やはり第5ステージの信州飯田で遅れてしまい、第7ステージの相模原も思ったように走れず、今日はみんなのサポートのお陰でポイントを取ることができて、本当に良かった。現地にチームのサポーターの方がたくさん駆けつけてくださり、声援が力になった。応援のお陰で、苦しい場面も戦い抜くことができた。本当にありがとうございました。

【レース後の鈴木監督のコメント】

まずは1つの目標であったポイント賞は、最後に逆転して取ることができた。今日のステージ優勝はなかなか難しいと思っていたが、中間スプリントポイントもしっかり取って、得点を重ねていった結果というところで、みんなで協力して1つの目標に向かってブルージャージが取れたことは、チームとしてとても良かったと思う。岡のポイント賞が確定した瞬間は、嬉しいというよりホッとした。喜ぶべきところだが、疲れがどっと出た。それだけ緊張し、体力も使ったのかもしれない。8日間という長い戦いだったが、選手たちはエースを助けながらONE TEAMでしっかり戦えたことに感謝したい。ファンの皆様の応援も、全日程通していただけたことが、選手にとってすごいモチベーションとなり、支えとなった。本当にありがとうございました。

【レース後の谷選手のコメント】

8日間を振り返り、良いステージもあれば反省点の多いステージもあったが、最終的にこの第8ステージは8日間の集大成のごとく、チーム一丸となって岡選手のポイント賞を取りに行けて、最後、岡選手がしっかりとスプリントをして取ってくれたので、いい形で締めくくれたと思う。今日は宇都宮からのたくさんのファンの皆さんが来てくださり、それが僕たちを後押ししてくれたと。ファンの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいだ。一番苦しかったのは第5ステージの信州飯田で、チームとして岡選手を前に残せなかったこと、また、第7ステージの相模原でチームとしてうまく連携ができずにポイント賞の順位を下げてしまったこと、ステージ優勝も狙えなかったこと。この2ステージがかなりつらかった。ただそれを経ての今日の東京ステージだったと思う。今までの反省をしっかり生かしてチームで戦えたので、本当にいい形で締めくくれた。個人としては京都ステージで落車して、うまく歯車が合わなくなった感があるが、そのぶん、チームのアシストとしてできることをしたいということに徹することができた。去年よりうまく動けたと感じている。ただ、自分が総合やステージを狙えなかった悔しさはあるので、また次は、自分が勝利を狙えるようにこの舞台に戻ってきたい。

▼第8ステージリザルト

1位 リアム・ウォルシュ(シーキャッシュ X ボディラップ )2h07’40”

2位 キャメロン・スコット(シーキャッシュ X ボディラップ) +0’00”

3位 アンドレア・ダマト(JCL TEAM UKYO) +0’00”

 

7位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +0’00”

49位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0’00”

55位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0’12”

76位 菅野蒼羅(宇都宮ブリッツェン)+0’50”

81位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +4’11”

82位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +4’11”

 

 

▼第8ステージ終了後の個人総合リザルト

1位 アレッサンドロ・ファンチェル(JCL TEAM UKYO)18h39’57”

2位 シモーネ・ラッカーニ(JCL TEAM UKYO) +0’21”

3位 ベンジャミン・ダイボール(ヴォクトワール広島) +1’09”

 

28位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +18’54”

29位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +20’25”

44位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +34’36”

45位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +36’10”

67位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +48’18”

72位 菅野蒼羅(宇都宮ブリッツェン)+56’28”

 

 

▼第8ステージ終了後のポイント賞総合リザルト

1位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) 68p

2位 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル(VC福岡) 65p

3位 キャメロン・スコット(シーキャッシュ X ボディラップ) 59p

 

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://www.toj.co.jp/2025/file_upload/100547/_main/100547_01.pdf