ニュース:レース

2025/05/19 レース

【レポート】Tour of Japan 2025 第2ステージ 【JPF 京都】UCIアジアツアー2.1

【レポート】Tour of Japan 2025 第2ステージ 【JPF 京都】UCIアジアツアー2.1

 

▼開催日

2025年5月19日(月)

 

▼スタート

普賢寺ふれいあいの駅(京都府京⽥辺市普賢寺⼩⽥垣内62-1)

 

▼フィニッシュ

けいはんなプラザ(京都府相楽郡精華町光台1-7)

 

▼出場選手

谷 順成

沢田 時

岡 篤志

ルーベン・アコスタ

武山晃輔

菅野蒼羅

 

▼競技概要

普賢寺ふれいあいの駅→けいはんなプラザ周回コース パレード6.6㎞/2.8㎞+16.8㎞✕6周 総距離103.6km

出走:95名

スタート時間:9:45

▼レースレポート

 

昨日から始まったツアー・オブ・ジャパン。昨日は個人タイムトライアルであったが、今日から本格的なロードレースが始まる。

1982年に国際サイクルロードレースとして始まり、1996年に現在のツアー・オブ・ジャパンという名称となり、今日の京都ステージは2016年から採用された。

コースは2級山岳を含む周回を6周し、獲得標高は2,181m。狭いブランドコーナーも多く、少人数のスプリント勝負になりがちなステージだ。3周回目、5周回目に入るときにコントロールラインで中間ポイント賞が設けられ、1位から順に3秒、2秒、1秒が総合タイムからマイナスされる。また同周回には山岳賞も設定され、1位から5ポイント、3ポイント、1ポイントが加算される。山岳ポイントはこの京都ステージから始まるので、今日最も多くポイントを得た選手が自動的に山岳賞を獲得する。

宇都宮ブリッツェンは岡篤志、谷順成、沢田時、菅野蒼羅、ルーベン・アコスタ、武山晃輔の全員がスタートに並んだ。

 

<レース前の鈴木監督のコメント>

「岡が昨日は4位と、惜しかったが、あれだけ走れている状態なので調子はいいと思う。今日は繋ぎと言ってはなんだが、明後日の飯田ステージまでに、ライバルチームのアシストの脚をどれだけ削れることができるかも重要。攻めることができる選手で攻めていき、ライバルチームのアシスト選手の脚を使わせて、明日、明後日に繋げるタイム差を稼いでいきたい」

 

<レース前の武山のコメント>

「昨日のクリテリウムとタイムトライアルでいい刺激が入ったので、調子よくロードレースに入れる。昨日の岡選手の4位という結果にチームとしても満足しており、今後のレースに向けてもいい勢いがついた。岡選手の総合順位を落とさず、要となる富士山ステージまでにいかにタイムギャップを稼げるか。これがチームとしての方向性だと思う。それに向けて個々がどういう動きをすればいいか、各自の役割は全員で共有できているし、モチベーションも高まっている。昨年は逃げに乗って立ち回ったステージ。同じように逃げにもチャレンジしていきたいし、逃げに乗れれば山岳賞ジャージを意識したい」

 

スタートから6.6kmのパレード区間を経て、アクチュアルスタート直後のアタックはなかったものの、ほどなくして逃げの動きがあると武山が対応。まだ全員の脚がフレッシュなので、逃げはなかなか決まらない。

そんな中、梅の木峠からの細く曲がりくねった下りを利用し、3人の逃げが決まった。そこに入ったのが沢田だ。沢田は2021、2022年にブリヂストンのチーム員としてツアー・オブ・ジャパンを走ったことがあるが、コロナ禍のため富士山・相模原・東京の3ステージのみを開催した年であり、8日間のフルステージの参戦は初。ちなみに22年は第1ステージで落車・骨折をしてDNFであった。またマウンテンバイクのレースと重なることが多く、宇都宮ブリッツェンに加入して3年目の年にして、初めてのメンバー入りとなった。

沢田のほかに、石原悠希選手(シマノレーシング)、ルーク・ブレナン選手(チームブッファーズ・ジェスチョン ド パトリモワンヌ)が入ったが、彼らの逃げは絶好のポイントで決まっており、ブラインドコーナーで集団から身を隠しながら次第にタイムギャップを稼いでいく。2周回目に入るときのタイム差が1分50秒で、後ろはリーダージャージを擁するソリューションテック ヴィーニファンティーニが集団にピッタリと蓋をする状態であった。沢田たちの逃げは完全に容認されたのだ。

 

3周回目のコントロールラインでは、まずポイント賞がかかる。沢田はスプリントに参加はしたが、3位通過でタイムボーナス1秒を獲得。そしてその後に出てくる山岳ポイントは、自ら早めに仕掛けて見事1位通過。5ポイントを獲得し、2回目の次も3位までに通過すれば山岳賞リーダーとなって、今日の表彰台はもちろん、明日は赤いリーダージャージで出走できる。

このまま逃げ切ってチームとしてはまず山岳賞を手にしたいが、4周回目に入る時点で集団との差が43秒まで縮まってしまった。ここでブレナン選手が集団に戻り、逃げは2名に。いつもなら不利になるところであるが、もともとブレナン選手が遅れ気味だったこともあり、沢田と石原選手は2名になったことでリズムよく先頭交代を重ね、再び1分10秒まで差を開く。

そして山岳賞がかかる5周回目。コントロールラインの中間スプリントは石原選手に譲る形で先頭固定のまま通過し、山岳賞は沢田が優先して獲得すると思われた直前。2名は惜しくも集団に捕まってしまう。山岳ポイントを先頭通過したのはニコロ・ガリッボ選手(JCL TEAM UKYO)で沢田と5ポイントで並んだが、2回目で取った選手のほうが優先されるため、山岳賞はガリッボ選手となった。

こうしてレースは振り出しに戻るが、集団に不運が。なんとリーダージャージのドゥシャン・ラヨビッチ選手(ソリューションテック ヴィーニファンティーニ)が落車に巻き込まれ、リーダーチームの統制は崩壊。先頭集団は落車の影響を受けなかった40名ほどに絞られてしまい、宇都宮ブリッツェンも岡とアコスタの2名しか残すことができなかった。まとまってレースを運べたのはJCL TEAM UKYOとキナンレーシングチームで、この2チームが残り14kmを仕切るという、これまでとまったく違うレースになってしまった。

宇都宮ブリッツェンとしては、岡、あるいはアコスタに掛けるしかない。逃げる動きもあったが、JCLが徹底的に潰していく。そして迎えた最終コーナー。

岡は4番手という絶好の位置でコーナーを抜ける。フィニッシュまでの距離は約400m。「残りの直線が長いのでしっかり待って、先行し過ぎないように気をつけた」という岡は残り150m看板あたりで、自らのタイミングでスプリントを仕掛ける。集団の中央から飛び出した赤い弾丸は、勢いが衰えることなくフィニッシュラインを抜けた。今季、あと一歩のところで勝利を取りこぼしてきた岡の、待ちに待った1勝だ。しかもツアー・オブ・ジャパン史上最多となるステージ4勝目を遂げた。

 

これにより岡は総合リーダーとポイント賞リーダーも獲得。沢田の山岳賞があれば3つのジャージを宇都宮ブリッツェンで総ナメできたと思うと少し残念だが、沢田の逃げは仲間の脚を温存し、ライバルチームの脚を削る結果となったので、チームとしては値千金だ。明日はリーダーチームとしていなべステージを走る。

【レース後の岡のコメント】

今シーズン惜しいところでなかなか勝てず、やっと優勝することができて、本当に嬉しい。総合リーダーであり、スプリンターであるドゥシャン選手が遅れたことで、自分も勝てる可能性が高まったと思いながら最終周回を走っていた。最終コーナーは3、4番手ぐらいで入れたと思うが、残りの直線が長いのでしっかり待って、先行し過ぎないように気をつけ、自分のタイミングでスプリントを仕掛けた。まずはステージ1勝という目標を達成することができたのでひと安心というところではある。これでTOJ4勝目ということで、お陰様で歴代最多勝利数となったと聞いている。明日は総合リーダーチームとなって大変だとは思うが、あまり総合リーダーにこだわりすぎず、チーム一丸となってみんなでしっかり戦う。残りのステージも頑張りたい。

▼第2ステージリザルト

1位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)2h38’50”

2位 アンドレア・ダマト(JCL TEAM UKYO) +00’00”

3位 キャメロン・スコット(シーキャッシュ X ボディラップ) +00’00”

 

32位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +00’00”

52位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +3’06”

59位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +5’39”

61位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +5’39”

76位 菅野蒼羅(宇都宮ブリッツェン)+8’58”

 

 

▼第2ステージ終了後の個人総合リザルト

1位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)2h41’41”

2位 アンドレア・ダマト(JCL TEAM UKYO) +00’06”

3位 キャメロン・スコット(シーキャッシュ X ボディラップ) +00’06”

 

44位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +00’29”

52位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +3’28”

58位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +5’58”

61位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +6’07”

94位 菅野蒼羅(宇都宮ブリッツェン)+9’22”

 

 

▼第2ステージ終了後のポイント賞総合リザルト

1位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)32p

2位 アンドレア・ダマト(JCL TEAM UKYO) 26p

3位 キャメロン・スコット(シーキャッシュ X ボディラップ) 24p

 

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://www.toj.co.jp/2025/file_upload/100498/_main/100498_01.pdf