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2025/10/05 レース

【レポート】OITA サイクルフェス!!! 2025 おおいたアーバンクラシック ロードレース(UCI-1.2)

【レポート】OITA サイクルフェス!!! 2025 おおいたアーバンクラシック ロードレース(UCI-1.2)

 

▼開催日

2025年10月5日(日)

 

▼スタート&フィニッシュ

大分スポーツ公園(大分県大分市横尾1351)

 

▼出場選手

谷 順成

フォン・チュンカイ

沢田 時

岡 篤志

ルーベン・アコスタ

武山晃輔

 

▼競技概要

大分スポーツ公園周辺特設コース 11.6km × 13周回=総距離150.8㎞

出走:95名

スタート時間:9:00

▼レースレポート

 

前日のクリテリウムレースに引き続き、「OITAサイクルフェス!!! 2025」の2日目。今度は大分スポーツ公園周辺に舞台を変えて、おおいたアーバンクラシック ロードレースが開催された。UCI アジアツアー2クラスとされる国際レースで、上位10名にUCIポイントが付与されることを考慮すると、優勝以外にも価値を持つ重要なレースだ。住宅街や大型商業施設(パークプレイス大分など)の側にレイアウトされた都市型のコースが特徴で、今日も朝から30度以上と暑かったが、多くの観客でにぎわった。

 

宇都宮ブリッツェンからは前日と同じく谷順成、沢田時、岡篤志、フォン・チュンカイ、ルーベン・アコスタ、武山晃輔の6名が出場した。アコスタは昨年この大会で3位に入り、再来日のときからこのレースを心待ちにしていた。

 

<レース前の谷のコメント>

「今日は予報以上に暑さを感じる。各選手しっかり補給を摂りながら進めていきたい。このコースは、過去を振り返ると“攻めきっている選手”が勝っているという印象。昨日、岡選手が優勝して、僕らのチームは他チームからマークされるとは思うが、全選手が前々で動いて、チームとして攻めきって勝ちにいきたい。特に岡選手が他チームにマークされると思うので、僕が先に動いて先手を打ち、逃げ切りたい。最後の上りスプリントは自分は得意なので、そのフィニッシュをイメージしながら頑張りたい」

 

スタートは9時と早めではあったが、気温はぐんぐん上がり、補給場には選手に渡す氷が用意された。スタートの合図とともに、まずは2.7kmのパレードがスタートした。パレードと言っても集団には緊張感が走り、今日のレースが困難なものになることを予感させた。アクチュアルスタートは上り区間であったため、いきなりアタック合戦が始まることはなかったが、その後の展開は選手の脚をひどく消耗させるものとなった。

 

集団からは逃げが出るには出るが、数名が出ては捕まる…を繰り返す。宇都宮ブリッツェンからも、1周目はフォンが、2周目は沢田が逃げに入る。沢田は一緒に逃げたヴィクトワール広島の選手がコーナーで落車をし、一瞬ヒヤッとする場面があった。目の前の落車発生と同時に、沢田はすかさず片足のペダルを外してバランスをキープ。シクロクロスでも第一線で活躍する沢田らしい、危険回避のテクニックだった。

 

全13周回中4周回目には、岡が入る9名の強力な逃げが形成された。まずは4人が逃げ、岡はその追走5名に入り、前に合流。途中に集団に飲み込まれそうになるも、自ら脚を使って逃げの先頭を引いたが、エスケープは1周しか持たなかった。やはり前日に逃げで優勝した岡が入ると、容認は難しい。

この動きで集団は30名ほどになってしまい、やがて徐々に追いついてきて6周回目には59名となったが、少しペースが上がると中切れが起きてしまうほど、集団は脚を削っていた。とにかくここまで、集団は常に縦長に伸び、休める場面は皆無と言ってよかった。そんな状況でも宇都宮ブリッツェンは全員が集団に残り、谷、沢田、フォン、 武山が代わる代わる逃げに入り、攻めの姿勢と存在感を示した。特にフォンは前日のクリテリウムでもアタックのチェック役をしっかりと務め、岡の脚の温存に大いに力となり、このロードレースでも献身的に前で展開。9月26日まで台湾代表として11ステージもあるTour of Poyang Lakeに出場をしており、暑さで疲弊する中で落車もあったが、再来日後もチームの1つの歯車として、ベテランらしい無駄のない動きを見せていた。

 

7周回目に入ると、集団も少し落ち着きたかったのか、3名の逃げが形成された。アンドレアス・ミルティアディス選手(ROOJAI INSURANCE)、ネイサン・アール選手(KINAN RACING TEAM)、入部正太朗選手(SHIMANO RACING)で、集団は昨年の優勝選手イェロン・メイヤース選手率いるヴィクトリア・スポーツ・プロサイクリングがコントロールし、逃げを容認した。

 

再びレースが動いたのは残り4周回目の最後。アール選手が加速をし、ミルティアディス選手と入部選手がドロップ。後ろからは2名の選手が追走を図っており、その2名が遅れた2人を捉えた。ミルティアディス選手はさらに遅れてしまったが、粘った入部選手と、合流したディラン・ホプキンス選手(ROOJAI INSURANCE)、エリオット・シュルツ選手(ヴィクトワール広島)の3名が、さらにアール選手にジョインし、4名の逃げで残り周回を重ねた。

 

結局、最終周回に入るタイミングで飛び出したシュルツ選手が逃げ切りで優勝。優勝インタビューでは「レースが厳しく、途中、完走すら難しいと思った」とコメントするほど、タフなレース展開となった。その中でも、このレースと相性のいいルーベンが、集団の2番手を取って全体の6位。シュルツ選手の飛び出しの際、一瞬の判断の遅れで追走できなかったことを悔やむが、力を出し切る走りはできたと語った。岡も10位に入り、2名がUCIポイントを獲得した。95名中完走者は39名で、宇都宮ブリッツェンは全員がフィニッシュした。

 

来週は同じくUCIレースのツール・ド・九州が4日間の日程で開催され、その翌週がいよいよ宇都宮ジャパンカップだ。重要なレースを走りつつも、地元レースにピークを持っていけるよう、調整をしつつ勝利を狙いたい。

レース後のルーベンのコメント】

シュルツ選手がアタックした瞬間、彼に追いつくのが少し難しかった。一瞬の判断が勝負を分ける場面で、反応がわずかに遅れてしまった。その後、彼は徐々に差を広げていき、僕は残されたグループの中でゴールスプリントに集中しようと切り替え、結果は6位。決して満足できるものではないが、今の自分の力を出し切る走りはできたと思う。

▼リザルト

 

1位 エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島) 3h23’01”

2位 ネイサン・アール(KINAN RACING TEAM)+0’29”

3位 入部正太朗(SHIMANO RACING) +0’29”

 

6位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +0’43”

10位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +0’51”

24位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +1’09”

28位 フォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン) +1’20”

37位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +8’52”

38位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +10’41”

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。

https://www.oita-cyclefes.com/pdf/communique8result_rr.pdf