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2025/10/12 レース

【レポート】マイナビ ツール・ド・九州 第2ステージ(UCI2-1)

【レポート】マイナビ ツール・ド・九州 第2ステージ(UCI2-1)

 

▼開催日

2025年10月12日(日)

 

▼スタート

瀬の本レストハウス(熊本県阿蘇郡南小国町満願寺5621ー7)

 

▼フィニッシュ

南阿蘇村役場(熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽1705-1)

 

▼出場選手

沢田 時

ルーベン・アコスタ

武山晃輔

花田聖誠

 

▼競技概要

南小国町 → 産山村 → 阿蘇市 → 高森町 →南阿蘇村 54.13km+30.36km × 2周回=総距離114.85㎞

出走:92名

スタート時間:9:00

▼レースレポート

 

ツール・ド・九州は2日目、熊本阿蘇ステージへと入った。世界最大級のカルデラを活かしたアップダウンの激しいコースで、熊本の美しい景観と災害からの復興を世界に示すステージだ。宇都宮ブリッツェンは4名からメンバーを減らすことなく、沢田時、ルーベン・アコスタ、武山晃輔、花田聖誠が出走した。

 

<レース前の武山のコメント>

「昨日は終盤でメイン集団から遅れてしまったが、レースを走ることでいい刺激が入り、体の調子はいい。今日のステージのほうが上りが激しく、タイム差がより開いていくステージになると思うので、沢田選手をサポートしながら食らいついていきたい。コースは、最近で言うと新城ロードレースにあったような10分近くかかる上りがある。決して楽な上りではない。大分のレースのあと九州に残って試走をし、今朝も車で走って上りのレイアウトを覚え、どういうふうに自分の脚をマネージメントするか考えている。どの集団についていくかを冷静に判断し、立ち回りをしないと、バックファイアして大失速ということもあり得る。現実を見つめ、自分が残っていけるところを見極めながら走っていきたい。総合のタイム差がかなりあるので、総合に関係のないメンバーで逃げが決まれば、今日は平和に進むと思うが、そこを出し抜いて、大きくジャンプアップを図るチームもあると思うので、レーススタートしてみると、今日がどういう日かわかるはずだ。そこにうまくはまっていけたらと思う。各ステージに“ベストジャパニーズ賞”という、ステージ最高順位の日本人がもらえる賞があるので、それは狙っていきたい。そして沢田選手が総合30位で、25位以内のUCIポイント圏内から外れているので、少しタイム差はあるが、挽回できるようにサポートしていきたい」

 

今日も快晴の中、9時にレースがスタートした。コースは10kmほど走った後に、阿蘇カルデラの絶景が拝めるミルクロードを使った周回コースに入り、そこを2周した後、50kmほど進んでフィニッシュとなる。周回コースには山岳ポイントが2回設定されているので、まずはそれを狙った動きが激しくなった。アタックが繰り返され、ようやく30kmほど進んだところで、現在山岳賞ジャージをまとう織田聖選手(マトリックスパワータグ)を含む5名の逃げが容認された。織田選手は1回目の山岳ポイントを1位通過するも、2回目は到達前に集団に吸収された。再びアタックと吸収が繰り返され、一時は20名弱となった先頭集団も後ろに追いつかれたこともあり、結局は40名ほどの大集団で、残り31kmでのレース仕切り直しとなった。

宇都宮ブリッツェンは沢田と武山がこの40名に入る。昨日の福岡ステージは「脚が残っていたのに、落車発生で足止めをくらって勝負できなかった」と悔しがっていた沢田。それを受け、「今日も時さんをサポートする」と言っていた武山。ただ武山は今季は「自分で勝負できる日」も探し求めている。キャプテンの谷順成は“影のMVP”は武山だと断言しており、「自分の成績を犠牲にしてまでアシストしてくれている」とその働きを認めている。エースの岡篤志も「練習では武山選手のほうが強いこともある」と言うほど。今年の国スポは山梨代表で4位に入った武山の力は、皆が認めているところだ。

 

フィニッシュは予想を遥かに上回る40名の大集団でスプリント勝負に。フィニッシュ手前は道幅が狭く、最後は緩い上り。チームで隊列を組むのは難しく、沢田か武山のどちらかが日本人1位となるべく、各々でスプリントし、武山の位置取りのうまさが発揮されて、全体の8位、ベストジャパニーズライダー賞を受賞することとなった。「ひとまず、チームから誰かが表彰台に乗るという目標が達成されて、少しホッとしている」と笑顔を見せる武山。チームはエース2人の欠場で窮地に立たされたが、その中でできることをやろうと模索し、そして今日が「武山の日」だった。もちろんエースがいたほうがいいが、エースがいれば今日も武山は黒子に徹することになったであろう。ピンチをチャンスに変えることができたのは、今季の宇都宮ブリッツェンの層の厚さがもたらした結果ではないだろうか。

 

リザルトを振り返ってみると、40名の中に残れた日本人選手は5名のみで、宇都宮ブリッツェンからは沢田と武山の2名で、沢田が日本人の中の2位。そのほかは新城 幸也選手(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)、増田 成幸選手(TEAM UKYO)、山田 拓海選手(シマノレーシング)だった。

 

明日の第3ステージが最終日で、コースは宮崎と大分の2県をまたぐ。花田とアコスタも無事にフィニッシュしており、明日も4人でベストを尽くす。

レース後の沢田のコメント】

8位は純粋に嬉しい。昨日、チームでは総合順位でUCIポイント圏内から脱落してしまい、今日はできればそこのジャンプアップも狙いたいという目標はありつつ、最低限、何かしらの形で表彰台に上ろうと話をして挑んだステージだった。最後は小集団のスプリント勝負になると予想はできていた。そのときは、自分は沢田選手をアシストしながら日本人トップを取ろうとミーティングはしていたが、思った以上に集団の人数が多く、位置取り争いが激しさを増しており、うまく隊列を組むよりは各々行こうとなって、流れたラインでもがいた結果が、この8位だった。ひとまず、チームから誰かが表彰台に乗るという目標が達成されて、少しホッとしている。明日は最終ステージで、もう脚を温存する必要もないので、最後出し切って、また何かしらの形で表彰台に乗りたい。チャンスはあると思っている。そして来週末の宇都宮ジャパンカップに勢いをつけたい。

 

▼第2ステージリザルト

1位 ドリース・デポーテル(アンテルマルシェ・ワンティ) 2h35’47”

2位 ジョフレ・スープ(トタルエネルジー) +0’00”

3位 ヘノック・ムルブラン(XDS・アスタナ チーム) +0’00”

 

8位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +0’00”

16位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +0’00”

52位 花田聖誠(宇都宮ブリッツェン) +7’36”

76位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +11’43”

 

▼第2ステージ終了後の総合リザルト

1位 キリロ・ツァレンコ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) 5h25’09”

2位 レイン・タラマエ(キナンレーシングチーム) +0’04”

3位 ニコロ・ガリッボ(TEAM UKYO) +0’49”

 

30位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) +5’23”

42位 武山晃輔(宇都宮ブリッツェン) +8’01”

66位 花田聖誠(宇都宮ブリッツェン) +18’58”

89位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン) +28’25”

 

▼ベストジャパニーズ賞

武山晃輔(宇都宮ブリッツェン)

 

※全リザルトは下記URLをご参照ください。(速報値)

https://matrix-sports.jp/lap/result.php?evt=TDK2025&ctg=002